アメリカのIT大手アマゾン傘下のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は、人工知能(AI)の導入を支援する専門のエンジニア組織を新たに設立し、10億ドル(約1550億円)を投じる方針を明らかにしたと発表しました。
企業の間でAIの活用に向けた課題が浮き彫りになる中、外部の専門的な支援を求める動きが広がっています。AWSが新たに立ち上げたのは、「フォワード・デプロイ・エンジニア(FDE)」と呼ばれる、顧客企業に直接入り込んで支援を行う専門チームです。このチームのエンジニアは、顧客の企業内に常駐し、目的に応じたAIシステムの迅速な構築を支援するということです。
AWSで最先端AI部門の副社長を務めるフランチェスカ・バスケス氏は、今回の取り組みについて、単なるシステムの構築や保守にとどまらないと強調しています。顧客が独自のAWS環境でAIを運用できるようになるだけでなく、自立して技術革新を続けられるよう、永続的なスキルや業務プロセスを提供する方針です。
アマゾンによりますと、この新組織には10億ドル(約1550億円)規模の経営資源が割り当てられるということです。これは他社との合弁事業や通常の投資ではなく、社内のリソースを活用したものとしています。
FDEと呼ばれる手法は、アメリカのソフトウェア企業パランティアが先駆的に導入し、AIシステムの構築手法として近年注目を集めています。専門のエンジニアが一時的に顧客企業で働くことで、現場の課題に直接対応できるのが特徴です。技術を再利用しながら企業ごとのニーズに合わせられる一方、多数のエンジニアを維持するための人的負担が大きいことが課題とされています。
AI分野では、開発を手がけるオープンAIやアンスロピックもここ数か月で同様の事業を立ち上げています。事業規模はオープンAIが40億ドル(約6200億円)、アンスロピックが15億ドル(約2325億円)に上るということです。これらは投資ファンドと提携することで、資金調達とともに顧客ネットワークを確保する狙いがあるとみられています。
