アメリカ政府は、イランの支援を受けるハッカー集団が、アメリカ国内の水道やエネルギー関連施設の制御システムに侵入し、障害を発生させていると発表しました。
FBI=連邦捜査局やNSA=国家安全保障局、エネルギー省などは、水曜日に更新したセキュリティ勧告の中で注意を呼びかけました。それによりますと、ハッカー集団はインターネットに接続された産業用の制御システムを標的にしているということです。表示されるデータを操作し、システムの停止や障害を引き起こしているとしています。
今年初めの時点では、アメリカのロックウェル社製の制御機器が標的となっていることが確認されていました。しかし、今回の勧告では、シュナイダーエレクトリック社やシーメンス社製の製品を含む、より広範な産業用制御システムへと攻撃対象が拡大しているということです。
関係機関は、「インターネットに接続されたすべての産業用制御システムが影響を受けるおそれがある」と警告し、重要インフラの管理者に対してサイバー防衛を強化するよう求めています。勧告によりますと、今回のサイバー攻撃はアメリカ国内で混乱を引き起こすことを目的としており、中東情勢をめぐるアメリカやイスラエルとの対立に対する報復措置である可能性が高いとしています。
FBIによりますと、ハッカー集団はある重要インフラ事業者のシステムに侵入し、制御プログラムを書き換えたということです。これにより、緊急停止や警報を処理する機能が無効化されました。その結果、異常が発生しても管理者に通知されず、システムが危険な状態に陥るおそれがあったとしています。
一連のサイバー攻撃は、今年2月の紛争開始以降、イラン政府が支援するハッカー集団などによって展開されている活動の最新の事例です。
これまでの攻撃は、政府高官の個人的なメールを流出させるなどのスパイ活動から、大規模な被害をもたらす破壊的なものまで多岐にわたります。代表的な事例として、アメリカの医療機器大手への攻撃が挙げられます。「ハンダラ(Handala)」と名乗るイランのハッカー集団が、数万台に上る従業員の端末のデータを遠隔操作で消去したということです。
また、このハッカー集団は今年6月、カリフォルニア州の水道事業者に対するデータ侵害についても犯行声明を出しています。証拠は示されていないものの、水道供給を停止させることが可能だったと主張しています。一方、水道事業者側は、給水を管理する運用ネットワークへの不正アクセスの痕跡は確認されていないとしています。
