アメリカの連邦地方裁判所は、アメリカ移民関税執行局(ICE)の動向を追跡するアプリの削除をめぐり、当時のトランプ政権がIT大手のアップルやグーグルなどに不当な圧力をかけることを禁じる仮処分決定を下したと発表しました。
イリノイ州の連邦地方裁判所の判事は、アプリの開発者などが求めていた仮処分を認めました。原告側は、政府がアップルやフェイスブック(現メタ)に圧力をかけてアプリなどを削除させたことは、表現の自由を保障する合衆国憲法修正第1条に違反すると主張しています。判事は、今後の本格的な審理においても、この主張が認められる可能性が高いとの見解を示したということです。
この問題をめぐっては、ICEの職員を見かけた際に市民が報告できるアプリの存在が発端となりました。アメリカ政府がこのアプリを非難した結果、かえって注目を集めることになり、ダウンロード数が急増する事態となっていました。
その後、当時の司法長官が開発者に警告を発するなど、政府による圧力が強まりました。これを受け、アップルは自社のアプリストアから該当のアプリを削除したほか、メタも同様の目的を持つフェイスブックのグループを削除する対応をとりました。また、アメリカ連邦議会下院の司法委員会は、司法省がアップルやグーグルに対して違法な圧力をかけていなかったかについて、調査に乗り出していました。
今回の裁判で原告を支援している非営利団体は、裁判所の決定について「非常に勇気づけられる」とする声明を発表しました。裁判所は、公開情報を用いてICEの活動を報告するプラットフォームに対し、政府がIT企業に圧力をかけて排除することを阻止する方針です。