AI(人工知能)モデルの性能評価サービスを提供するアメリカの企業「Arena(アリーナ)」は、商用サービスの開始からわずか8か月で、年換算の売上高が1億ドル(約155億円)に達したと発表しました。
Arenaは、2023年にカリフォルニア大学バークレー校の研究プロジェクトとして発足しました。1000万回以上のユーザー評価に基づき、AIモデルの性能をランキング形式で公開するサービスで広く知られています。
一般の利用者は、入力した指示に対して2つのAIモデルが出力した結果を比較し、どちらが優れているかを評価できる仕組みとなっています。
一般向けのランキング機能は無料で提供されていますが、同社は今年9月、AI開発企業などに向けて詳細な性能分析データを提供する商用サービス「AI Evaluations」を導入し、収益化を開始しました。
同社によりますと、未公開の最新AIモデルをいち早く試したいという評価者のコミュニティーが拡大していることに加え、企業からの需要も急速に高まっており、売上高の大幅な増加につながったということです。
共同創業者でCEO(最高経営責任者)を務めるアナスタシオス・アンジェロプロス氏は、アメリカのIT専門メディアの取材に対し、「多くの人は私たちが収益を上げていることを知らず、依然としてオープンソースのプロジェクトだと認識しています」と述べています。
また、同社の売上高は定額制の継続課金ではなく、顧客の利用量に応じた従量課金制に基づくものだとしています。
Arenaに直接的な競合企業は少ないものの、AIモデルの学習を支援する「Mercor」や「Scale AI」といったデータラベリング企業と市場で競合しているということです。AI開発企業の間では、モデルの性能を最大化するための最適化サービスの需要が急速に高まっています。
Arenaは今年1月、1億5000万ドル(約232億5000万円)の資金調達を実施し、企業評価額が17億ドル(約2635億円)に達したと発表しました。当時の年換算売上高は3000万ドル(約46億5000万円)でした。
AI開発を支援する他社の業績も急速に拡大しています。アメリカのメディアによりますと、「Handshake」の年換算売上高は5億5000万ドル(約852億5000万円)から10億ドル(約1550億円)近くまで増加したほか、「Mercor」も5億ドル(約775億円)から10億ドル(約1550億円)を突破したということです。
Arenaは現在、文章作成やプログラミング、画像生成など多様な分野でAIモデルを評価しているほか、複雑な作業を処理する新たな機能も導入し、事業を拡大する方針です。
同社はアンジェロプロス氏のほか、カリフォルニア大学バークレー校の研究者であるウェイリン・チャン氏、そしてデータ分析企業「Databricks」の共同創業者でもあるイオン・ストイカ教授によって設立されました。これまでに有力ベンチャーキャピタルなどから、総額2億5000万ドル(約387億5000万円)の資金を調達したということです。
