アメリカのAI開発企業「アンソロピック」は、ビジネスチャットツール「スラック」上で、AIがチームの一員として機能する新サービス「クロード・タグ」のベータ版の提供を開始したと発表しました。
この新機能は、法人向けプランである「クロード・エンタープライズ」および「クロード・チーム」の利用者を対象としています。ユーザーがチャット内でAIをタグ付けすることで、助言を求めたり、業務を割り当てたりすることができるということです。
これまでもスラック内でAIとメッセージのやり取りを行う機能は存在していましたが、今回の「クロード・タグ」は、過去の文脈や記憶を継続的に保持できる点が大きな特徴としています。アンソロピックは、「AIがチャンネル内のやり取りを追うことで業務への理解を深めるほか、権限が与えられれば組織内の他の情報も自動的に収集する」と説明しています。
また、特定のチャンネルに参加しているすべてのメンバーが、同一のAIと情報を共有できる仕組みとなっています。これにより、誰でもAIの作業進捗を確認し、他のメンバーの会話を引き継ぐことが可能になるということです。一方、システム管理者はAIがアクセスできるツールや情報をチャンネルごとに制限できるため、法務部門のデータが技術部門に流出するといった事態を防ぐ方針です。
具体的な業務が割り当てられた場合、AIはタスクを複数の段階に分割し、利用可能なツールを活用して処理を進め、その結果をスラック上で報告します。さらに、AIが自発的にチャットに参加する機能も搭載されています。これにより、チームへの進捗報告や組織内の重要事項の通知、放置されているタスクの確認などをAIが主体的に行うとしています。
アンソロピックは、こうした機能により「より深い文脈の理解に基づき、実際の同僚と一緒に働いているかのような感覚を得られる」としています。
企業向けのAI導入において、組織内の文脈や背景知識の理解はますます重要な課題となっています。この分野では、マイクロソフトが「コパイロット」などを通じて同様の取り組みを進めているほか、「スノーフレイク」や「データブリックス」、「グリーン」といった企業も、組織固有の知識をAIが活用できる基盤構築に注力しており、開発競争が激しさを増しているということです。
