アメリカのIT大手、メタが運営する「インスタグラム」は、AI(人工知能)で生成された人物のプロフィールに対する新たな表示ルールを導入し、AI生成であることを明記していないアカウントの表示回数を制限すると発表しました。
発表によりますと、従来の「AIクリエイター」という表示を「AI生成プロフィール」に変更するということです。これにより、プロフィールに登場する人物がAIによって生成されたものであることを、利用者がより簡単に理解できるようにする狙いがあります。
新たな方針のもとでは、AI生成プロフィールであることを適切に表示しないクリエイターに対し、投稿の表示回数を減らすなどの措置がとられる方針です。一方で、新しい表示ルールを遵守している場合は、AI生成の人物を起用していることだけを理由にペナルティを受けることはないとしています。
この表示ルールは、AIのすべての用途に適用されるわけではありません。写真の編集や文章の推敲、グラフィックの作成など、部分的な用途でAIを使用する場合には、今回の表示義務の対象外になるということです。
今回のルール変更の背景には、実在の人物だと思っていたプロフィールが、後になって完全にAIで生成されたものだと判明し、不満を抱く利用者が増えていることがあります。インスタグラムは「利用者は、プロフィールに登場する人物がAIであるかどうかを知る権利を求めている」と説明しています。
SNS上では近年、AIインフルエンサーが急増しており、様々な問題が指摘されています。例えば今年初めには、出会い系アプリが多数のAIインフルエンサーを使って宣伝活動を行っていたことが報じられました。また、健康やウェルネスの分野でも、AIで生成された架空の医師などがサプリメントを推奨したり、健康に関する主張を行ったりする事例が数百件確認され、懸念が広がっています。
インスタグラムをめぐっては以前、他人の肖像を利用して画像を生成できるAIツールが批判を浴び、メタが機能の削除に追い込まれた経緯があります。
またメタは先週、フェイスブックやインスタグラムが子どもや若者に与える悪影響をめぐり、アメリカの複数の州との間で180億ドル(約2兆7900億円)を支払い和解したばかりです。この合意の一環として、同社は10代の利用者に対し、1日あたりの利用時間を初期設定で2時間に制限するほか、「ナイトモード」によるブロック機能や、学校の授業時間中の通知オフなどの制限を導入する方針です。
