インドのスタートアップ企業「Rocket」は、AI(人工知能)を活用して製品の戦略立案を支援する新たなプラットフォームの提供を開始したと発表しました。プログラミングの自動化が進む中、企業が「何を開発すべきか」を決定するためのコンサルティング会社のようなレポートを低価格で提供するとしています。
インド西部の都市スラトに本社を置く同社は、市場調査や製品開発、競合分析を一つのシステムで行うことができるプラットフォーム「Rocket 1.0」を発表しました。このシステムは、価格設定や採算性、市場への投入戦略などを含む詳細な製品戦略の文書を自動で作成するということです。
近年、AIを活用したプログラミング支援ツールが次々と登場し、コードの作成は容易になっています。Rocketの共同創業者でCEOのビシャル・ビラニ氏は、「コードの生成は誰にでもできるようになりましたが、何を開発すべきかという視点が欠けています。事業の運営とシステムの構築は異なるものです」と述べ、戦略立案の重要性を強調しています。
アメリカのIT専門メディアが提供開始前にこのシステムをテストしたところ、簡単な指示を入力するだけで、機能や実行手順だけでなく、コンサルティング会社が作成するような本格的な製品要件定義書がPDF形式で生成されたということです。
一方で、分析結果は既存の価格モデルやユーザーの行動パターンなどを組み合わせたものであり、利用者が事業の意思決定を行う前には内容を検証する必要があるとしています。これについてビラニ氏は、利用者が問題に直面した際には、担当者によるサポートを提供する方針を示しています。
また、このシステムは1,000以上のデータソースを活用し、競合他社のウェブサイトの変更やアクセスの動向なども追跡できるということです。
利用料金は、アプリケーション開発向けの月額25ドル(約3,900円)から、戦略立案や調査機能を含む250ドル(約3万9,000円)、競合分析を含むすべての機能が利用できる350ドル(約5万4,000円)までのプランが用意されています。ビラニ氏によれば、250ドルのプランでは、通常は多額の費用がかかる大手コンサルティング会社と同水準の調査レポートを複数作成できるとしており、低コストな代替手段として位置づける方針です。
同社は9月に、投資会社などから1,500万ドル(約23億2,500万円)の資金調達を行いました。その後、利用者は世界180か国で40万人から150万人以上に増加したということです。利用者1人あたりの年間平均収益は約4,000ドル(約62万円)に上り、顧客の2割から3割を中小企業が占めているとしています。
同社は現在57人の従業員を抱え、インドのスラトに本社を置くほか、アメリカ・カリフォルニア州のパロアルトにも拠点を構えています。
