インドのソフトウェア企業「MoEngage(モエンゲージ)」は、アメリカ・サンフランシスコに拠点を置く人工知能(AI)関連のスタートアップ企業「Aampe(アーンプ)」を買収したと発表しました。個々の顧客に合わせた意思決定を行う「AIエージェント」が今後のマーケティングの主流になると見込んでおり、サービスの強化を図るねらいがあります。
買収の具体的な金額は明らかにされていませんが、関係者によりますと、数千万ドル(数十億円)規模の現金による買収だということです。Aampeは2020年に設立され、顧客一人ひとりに専用のAIエージェントを割り当てるソフトウェアを開発しています。これにより、従来の顧客層の分類に頼るのではなく、個人の行動に基づいた最適なメッセージ配信が可能になるとしています。
MoEngageの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるラビテジャ・ドッダ氏によりますと、Aampeはアメリカやヨーロッパ、アジア太平洋地域で30社以上の顧客を抱え、過去1年間で収益を1.5倍に伸ばしたということです。ドッダCEOは、今回の買収を通じて、アメリカの「セールスフォース」や「アドビ」といった競合他社のサービスを利用する顧客の獲得につなげたいという考えを示しました。
MoEngageは最近、セールスフォースから乗り換えた顧客と、数百万ドル(数億円)規模の年間契約を複数結んだとしています。現在、ソフトウェア業界では、文章などを作成する生成AIにとどまらず、自律的に意思決定を行うAIエージェントを企業向けシステムに組み込む動きが加速しています。マーケティングの分野でも、対象となる顧客の選定や、メッセージの内容、送信するタイミングなどをAIが自ら判断する技術の開発が進められています。
MoEngageは半年ほど前に、2億8000万ドル(約434億円)の資金調達を行っています。今回の買収に伴い、Aampeの従業員およそ20人がMoEngageに合流し、全体の従業員数は約820人になる見込みです。MoEngageは現在、世界75か国で小売りや金融、メディアなど1350以上のブランドにサービスを提供しており、AI技術の活用をさらに深めることで、世界市場での競争力を高める方針です。なお、買収されたAampeは設立以来、3回の資金調達を通じておよそ2800万ドル(約43億4000万円)を調達していました。
