SNS大手の「X」は、自社のプラットフォーム上でオリジナルの動画コンテンツの投稿を促すため、新たな動画編集機能や録画機能を導入したと発表しました。他のSNSからの無断転載を防ぐねらいがあるということです。
今回のアップデートでは、複数の言語で動画に字幕を追加してデザインを調整できる機能が導入されます。また、スマートフォンの画像やX上の他の投稿を背景として使用できる機能なども追加されるということです。
Xのプロダクト部門の責任者を務めるニキータ・ビアー氏は、「クリエイターがオリジナルのコンテンツを作成できるツールを提供し、彼らに報いることが私たちの最優先事項の一つです」と述べています。そのうえで、今後数週間のうちに動画編集機能のさらなるアップデートを行う方針を示しました。
ビアー氏によれば、X上で影響力のあるアカウントの多くが、過去に他のプラットフォームで人気を集めた動画などを無断で転載しているということです。機能的な動画編集ツールを提供することで、X上に独自のコンテンツが増えることを目指すとしています。
一方で、動画の無断転載は収益を目的として行われることが多く、編集ツールの導入だけでは根本的な解決にはならないという指摘もあります。TikTokやメタ、YouTubeなどの競合他社は、クリエイターが安定して収益を得られる仕組みや、無断転載を報告して削除する保護機能をすでに確立しています。Xがクリエイターの活動を活性化させるためには、こうした収益化の環境整備や著作権保護の仕組みの強化が課題となります。
また、Xにとって最大の課題とされているのが、大量のアカウントを自動で操作する「ボット」への対策です。ボットは動画の再生回数を不正に水増ししたり、コンテンツを無断で収集したりする要因となっています。ビアー氏は今年4月、毎分200件以上のボットを特定して凍結していると明らかにしており、開発チームの半数がスパム対策に注力しているということです。
Xにおける動画を含む投稿は、すでに全体の閲覧数の半分近くを占めているとしており、動画コンテンツの重要性が高まっています。AI技術の普及に伴い、スパムやボットの増加はSNS業界全体の問題となっており、アメリカの掲示板サイト「Reddit」もAIを活用した対策を導入しています。
今回発表された動画編集機能は、まずiOS向けのアプリで提供が開始され、Android向けについては現在開発を進めているということです。
