エピックゲームズがオーストラリアでの反トラスト訴訟で勝訴し、アップルはサイドローディングと第三者決済を許可するよう命じられたと発表しました。
この判決の詳細が900ページにわたり公表され、アップルはユーザーのプライバシーとセキュリティリスクが過小評価されていると主張しています。
この訴訟の焦点は、App Storeの支配力をどう定義するかという点です。アップルは市場を「スマートフォン」または「アプリ」と捉え、世界の多くの国で少数のシェアしか持たないため、独占的地位にないと主張しています。
一方、規制当局は「iOSアプリ」が関連市場であると見なし、アップルがその販売と配布において100%の独占を有しているとしています。裁判官は後者の見解を採用し、アップルはこれに異議を唱えています。
アップルは「オーストラリアや世界の市場で独占的地位にない」とし、「他の裁判所によって否定された市場定義を含む多くの決定に強く反対している」と述べています。また、App Storeの知的財産を尊重し、安全で安心な体験を提供することを目指す方針です。
裁判所はアップルに具体的な命令を課さなかったものの、アップルはプライバシーとセキュリティへの影響を懸念しています。
しかし、裁判所はアップルが知的財産の対価を請求する権利を認め、第三者アプリストアの禁止が正当であると判断しました。
裁判所はEUのデジタル市場法を引用し、サイドローディングが可能で合理的であると指摘しました。これに対し、アップルはアプリレビューがユーザーを不正アプリから守るために不可欠であると主張しています。
しかし、公式App Storeに多くの不正アプリが存在するため、この主張は弱まっています。2021年の調査では、App Storeのトップ収益アプリの約2%が詐欺アプリで、iPhoneユーザーに約50億円(約7750億円)の損害を与えていることが明らかになりました。最近では、数万人の女性のプライベートチャットと個人データを漏洩した出会い系アプリがApp Storeに承認されました。
それでもアップルは昨年だけで約200万のアプリを拒否したと述べており、完璧ではないものの、引き続きゲートキーパーとしての役割を果たす理由があるとしています。
