エマージェントは、非技術者でもアプリを開発できるプラットフォームを提供する企業で、Lightspeedから2300万ドル(約35億6000万円)を調達したと発表しました。これにより、同社の累計調達額は3000万ドル(約46億5000万円)に達しました。参加した投資家には、Y CombinatorやTogether Fundのほか、有力なエンジェル投資家も含まれています。
エマージェントは、ユーザーがアプリ開発のプロセスを容易に進められるよう支援する方針です。特に、技術的な詳細に煩わされることなく、APIの管理やデプロイメントの手順をサポートすることを目指しています。
創業者のムクンド・ジャ氏とマダヴ・ジャ氏は、AIによるコード生成が今後の経済において大きな役割を果たすと考えています。特に、非技術者向けにソフトウェア開発のライフサイクルを抽象化することを重視しており、開発者向けツールとは競合しない方針です。
現在、エマージェントはExpoをモバイルクライアントとして使用していますが、将来的には独自のモバイルアプリを提供し、ネイティブアプリの構築を可能にする計画です。また、ユーザーが異なるサービスのアカウントを作成する手間を省くために、ユニバーサルAPIキーを使用しています。
このプラットフォームは、ユーザーに技術的な知識を提供することも目指しています。APIやコンポーネント選択の仕組みについて教育することで、ユーザーがより良い選択をできるよう支援します。
エマージェントはまた、新しいユーザー向けにブレインストーミングモードを開発中です。このモードにより、アイデアを持っているがアプリの最終形を知らないユーザーが、アイデアの段階をスムーズに進めることができるようになります。
デジタル経済において重要なことは、他のユーザーがアプリを発見し、開発者が収益を得ることです。現在、エマージェントはホームページでいくつかのアプリを紹介していますが、今後は発見と収益化をより容易にする方針です。
エマージェントは、CanvaやFigmaなどの企業と競争する中で、技術力を活かして一般消費者にアプリ開発能力を提供することを目指しています。Lightspeedのパートナーであるヘマント・モハパトラ氏は、エマージェントがデジタル経済への参加障壁を低くすることに成功していると評価しています。