アメリカのテレビ界最高の栄誉とされるエミー賞の授賞式が行われ、動画配信サービスの「アップルTV」が、競合するHBOなどを抑えて最多となる賞を獲得したことが明らかになりました。これに対し、HBOの責任者は巨大IT企業との競争について見解を述べました。
アップルTVとHBOは、ともに作品の量よりも質を重視する姿勢から、これまで度々比較されてきました。一部では、アップルTVを「新たなHBO」と呼ぶ声も上がっていたということです。今回のエミー賞では、アップルTVが「ウィドウズ・ベイ」などのヒットにより合計29の賞を獲得し、今年最も多くの賞を受賞したネットワークとなりました。一方、HBOは21の賞を獲得し、2位となっています。
授賞式後、HBOの番組編成トップであるケイシー・ブロイス氏は、メディアの取材に対し、アップルTVの躍進について見解を示しました。ブロイス氏は、アップルの担当幹部を称賛したうえで、「これまでも多くの強力な競合他社が存在してきた。アップルなどの存在は我々に緊張感を与え、最高の作品を生み出す原動力になる」と述べました。一方で、「彼らが1兆ドル(約155兆円)規模の企業であることは少し恐ろしいことだ。それでも我々は、これまで通り最高の番組を提供し続ける方針だ」と語っています。
ブロイス氏は2004年からHBOに在籍し、2016年に番組編成のトップに就任して以来、数々の成功を収めてきました。同氏の今回の発言は、競合他社への敬意を示すものですが、巨大な資金力を持つIT企業への警戒感もにじませています。アップルTVの具体的な予算規模は公表されていませんが、親会社であるアップル全体としては、HBOを含む多くの競合他社をしのぐ資金のゆとりがあるものとみられています。
こうした中、アメリカのメディア大手パラマウントが、アップルやアマゾンなどの巨大IT企業に対抗するため、HBOの親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収を模索していると報じられています。豊富な資金力が必ずしも優位性に直結するとは限りませんが、業界内での競争は激しさを増しています。
なお、アップルTVの月額料金は14.99ドル(約2,300円)に設定されているということです。
