オーチャードロボティクスは、AIを活用した農業支援技術で22億円(約3410億円)を調達したと発表しました。この資金調達はQuiet CapitalとShine Capitalが主導し、General CatalystやContraryなどの既存投資家も参加しました。
オーチャードロボティクスは、カメラとAIを用いて果樹農家が作物をより正確に管理できるよう支援する技術を開発しています。この技術はトラクターや農業車両に取り付けられた小型カメラを使用し、果実の健康状態を超高解像度で撮影します。得られたデータはAIによって果実のサイズ、色、健康状態を分析し、クラウドベースのソフトウェアにアップロードされます。
このソフトウェアは、施肥や剪定、間引きが必要なブドウのつるや木を特定するための中央記録として機能します。オーチャードロボティクスの技術は、既に国内の大規模なリンゴやブドウ農場で使用されており、最近ではブルーベリー、チェリー、アーモンド、ピスタチオ、柑橘類、イチゴの生産者にも提供を開始しました。
オーチャードロボティクスの競合には、昨年農業機器メーカーのクボタに買収されたBloomfield Roboticsや、シードステージのスタートアップであるVivid Robotics、Green Atlasが含まれています。
同社の創業者であるチャーリー・ウー氏は、果物と野菜のデータ市場は現在15億ドル(約2325億円)に過ぎないと認めていますが、将来的にAIの進化により技術が自律的な意思決定を可能にし、製品の提供範囲を拡大する方針です。
ウー氏は、オーチャードロボティクスの進化をFlock Safetyのようにしたいと考えています。Flock Safetyは公共安全のスタートアップで、現在75億ドル(約11625億円)の評価を受けており、過去8年間でナンバープレート情報の収集から、銃声検知やビデオ監視などの製品に拡大しています。
「私たちの目標は、単にデータを集めるだけではありません。データを集め、その上にオペレーティングシステムを構築し、最終的には農場のすべてのワークフローを掌握することです。これにより、私たちの市場を大きく拡大する可能性があります」とウー氏は述べています。
