アメリカのIT大手アップルが、元従業員や対話型AIを開発するOpenAIなどを営業秘密の侵害で訴えている問題で、OpenAI側は裁判所に対し、訴訟の完全な棄却を改めて申し立てたと発表しました。
この訴訟は、アップルの元従業員であるチャン・リウ氏とタン・タン氏、そしてOpenAIや、著名デザイナーが率いる企業「io Products」を対象に、アップルが提起したものです。
アップルは、元従業員らが退職後に同社の機密情報に不正にアクセスして持ち出したと主張しています。さらに、採用候補者に対して、アップルのセキュリティシステムを回避して情報を持ち出す方法を指導したとしています。
アップルは、裁判が進められる間、OpenAIなどの被告がアップルの独自情報にアクセスしたり使用したりすることを禁じる仮処分を求めています。あわせて、情報の不正利用の範囲を早期に特定するため、証拠開示手続きを迅速に進めるよう要請しています。
これに対し、OpenAI側はこれまで「アップルは保護されるべき営業秘密を具体的に特定しておらず、不正利用の事実や被害も証明できていない」として、訴えの退けを求めてきました。
一方のアップルは、「具体的な営業秘密と不正行為を特定している」と反論しています。被告側が関係のない出来事を持ち出して、正当な行為であったかのように無実を装っていると非難していました。
今回、OpenAIはこれまでの主張を改めて強調し、将来的に同じ内容での再提訴を禁じる「完全な棄却」を裁判所に求める新たな書面を提出したということです。
新たな提出書面の中で、OpenAIは「アップルの反論は、訴状の根本的な欠陥を修正するどころか、むしろ浮き彫りにしている」と指摘しています。営業秘密の保護を主張するためには、「情報の特定」「保護されるべき理由」「不正取得や利用の手口」の3点を明確にする必要がありますが、アップルの主張は依然として曖昧な分類にとどまっており、事実関係が欠如しているとしています。
また、OpenAIは「アップルは推測に基づいて事実を認定するよう裁判所に求めている」と批判しています。例えば、面接前のデータダウンロードを面接中の情報漏えいと見なしたり、アップルのプロジェクトに関する質問をしただけで機密情報を受け取ったと決めつけたりしているということです。
双方の書面提出が完了したことで、10月1日に予定されている審理に向けて、裁判所でさらなる議論が行われる見通しです。
