アメリカの医療データ大手「ケアクラウド」は、サイバー攻撃を受け、375万人以上の患者の個人情報や医療記録が流出したと発表しました。
これは、同社がアメリカ保健福祉省(HHS)に提出した報告書によって明らかになったものです。今回の情報流出の規模は、2026年に発生した医療データの窃取事件としては、これまでに5番目の大きさになるということです。被害者の数は提出後の更新で上方修正されており、今後さらに被害規模が拡大する可能性もあるとしています。
アメリカ東部ニュージャージー州に本社を置くケアクラウドは、全米の数万にのぼる医療機関に電子カルテの保存システムを提供しています。病院や診療所に代わって膨大な患者データや請求情報を管理しており、数百万人の患者が間接的に同社のサービスを利用していることになります。
同社は今年3月に情報流出を公表して以降、サイバー攻撃に関する公式なコメントを控えています。当時の発表によりますと、ハッカーが6日間にわたって同社のクラウド保存環境にアクセスしたということです。その後の通知では、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のアカウントから大量の患者データが外部に持ち出されたと説明しています。
流出したデータには、患者の名前や住所、社会保障番号、医療・健康情報が含まれています。さらに、パスポートや運転免許証などの政府発行の身分証明書番号のほか、銀行口座などの金融情報も盗み出されたということです。
ケアクラウドのスティーブン・スナイダー最高経営責任者(CEO)は、ハッカーへの身代金支払いの有無や、社内のサイバーセキュリティの責任の所在、自身の辞任の意向などについて、メディアからの複数回の問い合わせに応じていないということです。
アメリカでは今年、医療機関を狙った大規模な情報流出が相次いで確認されています。
今年3月には、テクノロジー大手の「トライゼット」が340万人分のデータ流出を確認したほか、7月には医療請求ソフトウエア開発の「クレーンウェア」でも人数は不明ながらデータが盗まれる事件が発生しています。
アメリカ保健福祉省の集計によりますと、今年最大の医療データ流出事件は歯科保険大手「デンタクエスト」へのサイバー攻撃であり、少なくとも1500万人分の個人情報と健康情報が被害を受けたということです。
