AI(人工知能)の学習データやシミュレーション環境を開発するアメリカの新興企業「スノーケルAI」は、新たな資金調達を実施し、企業価値が35億ドル(約5425億円)に達したと発表しました。
今回の資金調達では、3億5000万ドル(約542億5000万円)を調達したということです。投資会社のインサイト・パートナーズなどが主導しました。同社が17か月前に1億ドル(約155億円)を調達した際の企業価値は13億ドル(約2015億円)であり、今回はその約3倍に拡大したとしています。また、既存の投資家であるウェルズ・ファーゴなども今回の資金調達に参加しました。
同社は当初、データへの意味付け(ラベリング)を自動化するソフトウェアを提供していました。しかし昨年から、完成したデータセットを直接顧客に提供するサービスへと事業を転換したということです。このサービスは「データ・アズ・ア・サービス(DaaS)」と呼ばれています。専門家による手作業に完全に依存するのではなく、ソフトウェアやAIモデルによるデータの自動生成と、専門家の知見を組み合わせた手法を採用する方針です。
スノーケルAIによりますと、現在の年換算の売上高見込みは3億7500万ドル(約581億2500万円)に上り、過去12か月間で18倍に急増したとしています。AI開発企業の間で、高品質な学習データへの需要が急速に高まっていることが成長を後押ししているということです。
AI向けのデータを提供する他の企業でも、同様の急成長が見られます。年換算の総売上高として、メルコールが20億ドル(約3100億円)、ハンドシェイクが10億ドル(約1550億円)、マイクロ1が5億ドル(約775億円)規模に達したと報じられています。ただし、これらの企業は売上高の約6割から7割を専門家に直接支払っているため、実際の純収益は公表されている総売上高を大きく下回るということです。
一方、スノーケルAIは、人間の労働力そのものではなく、強化学習の環境や完成したデータセットを販売しています。そのため、専門家への報酬は売上高から差し引かれるのではなく、売上原価として計上されているということです。
同社は、アメリカのスタンフォード大学のAI研究所で最高経営責任者(CEO)のアレックス・ラトナー氏らが4年間の研究を行ったあと、2019年に商業展開を開始しました。
