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2025年7月12日
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テキサス洪水はクラウドシーディングが原因ではないと発表

テキサスで発生した洪水について、クラウドシーディングスタートアップ「レインメーカー」が原因ではないと専門家が発表しました。

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技術系ジャーナリスト
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テキサス州で発生した壊滅的な洪水に関して、クラウドシーディングが原因ではないかという憶測が広がりました。しかし、専門家はこれを否定しています。

クラウドシーディングスタートアップ「レインメーカー」が洪水の原因であるという主張が一部で見られましたが、データはこれを支持していないということです。コロラド大学ボルダー校の大気科学者カティア・フリードリッヒ氏は、「クラウドシーディングは洪水とは関係がない」と述べています。

イリノイ大学の大気科学教授ボブ・ラウバー氏も「これは完全な陰謀論であり、誰かを責めたいだけだ」と指摘しています。

クラウドシーディングは1950年代から行われており、小さな粒子を雲に散布することで降水量を増やそうとする技術です。主に銀ヨウ化物が使用され、氷の結晶の形を模倣することで雲の中の過冷却水滴を凍らせ、降水を促します。

米国では主に西部の山岳地帯で冬に行われており、適切にシーディングされれば、雪として水を放出し、春の融雪時に人工貯水池を補充する自然の貯水池を形成します。

ラウバー氏によると、クラウドシーディングの降水への影響は近年の研究対象であり、2017年初頭にアイダホ州で行われた詳細な研究では、合計2時間10分のシーディングで約1億8600万ガロンの降水を追加しました。

しかし、テキサスの洪水のような大嵐と比較すると、この量は微々たるものであるとしています。レインメーカーが嵐に影響を与えたとしても、その影響は極めて小さく、事実上存在しなかったということです。

さらに、レインメーカーは嵐の発生する数日前に雲をシーディングしており、その時の空気は既にカナダ上空に移動していた可能性が高いとラウバー氏は述べています。また、テキサスで夏に発生する積雲は山岳地帯の雲とは異なり、クラウドシーディングに対する反応も異なるため、効果が不明確です。

短命で降水量の少ないこれらの雲に対してシーディングを試みても、「その効果は小さい」とラウバー氏は指摘しています。長く続く雲、例えば雷雨のような深い雲については「自然のプロセスで十分であり、シーディングは何の影響も与えない」と述べています。

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