アメリカ南部テキサス州オースティンで、開発中の自動運転車が道路にいたカモをはねて死なせる事故があり、地域住民から自動運転技術に対する懸念の声が上がっていることが明らかになりました。開発元の企業は、事故当時の状況を調査し、システムの改善を検討していると発表しました。
地元メディアの報道によりますと、事故はオースティン市内のミューラー湖周辺で発生しました。地域住民がSNSに投稿した内容によりますと、自動運転技術を開発する「アブライド(Avride)」社の車両が、減速や停止をせずにカモをはねたということです。当時、車両には安全確認のための運転手が同乗していました。
はねられたカモは、地元のイタリア料理店の外で巣作りをしており、日頃から住民に親しまれていました。そのため、今回の事故は地域社会に強い反発を招いています。なお、残された卵は住民によって保護され、現在、孵化器(ふかき)で温められているということです。
アブライド社の広報担当者は、事故当時、車両が自動運転モードで走行していたことを認めました。同社は公道での走行試験自体は継続するものの、事故が発生した湖周辺の一部道路を試験の対象地域から除外する方針です。また、住民からは「車両が一時停止の標識を無視した」という指摘も出ていましたが、同社はデータを確認した結果、標識のある場所では適切に停止していたとして、この指摘を否定しています。
同社は現在、シミュレーションを通じて事故当時の状況を詳細に分析しています。今後は同様の事態を防ぐため、自動運転技術の改善に向けた評価を進めるとしています。さらに、システムの変更が他の状況下での安全性に悪影響を及ぼさないよう、慎重に検証を行う方針です。
オースティン市内では、アブライド社以外にも複数の企業が自動運転車の試験や商業展開を行っています。「ズークス(Zoox)」社が試験走行を実施しているほか、「テスラ(Tesla)」社や、「ウーバー(Uber)」社と提携する「ウェイモ(Waymo)」社も、市内の一部地域で自動運転タクシーのサービスを展開しているということです。
