シンガポールのスタートアップ、テラオレオは、農業廃棄物を利用して油を生産する微生物を開発し、パーム油に代わる持続可能な選択肢を提供することを目指していると発表しました。
テラオレオの共同創業者であるシェン・ミン・リー氏は、家族がパーム油産業の主要な生産者であることに対し、持続可能性を重視する価値観から新たな道を模索したいと考え、この企業を設立したということです。
テラオレオは、MITの博士課程で微生物を研究していたブーン・ウラヌクル氏と共に、農業廃棄物を油に変える微生物を開発しています。この技術により、化粧品や製薬業界で使用される高価な特殊油の生産が可能になるとしています。
同社は、ADBベンチャーズやBetter Bite Ventures、Elev8.vc、The Radical Fundなどから約4億8000万円(310万ドル)の資金を調達しました。また、パーム油産業の戦略的な企業投資家も含まれているということです。
現在、テラオレオは研究室での少量生産段階にありますが、今後は資金を活用して生産規模を拡大し、より多くの油を生産する方針です。
同社の技術により、化粧品や製薬業界で使用される油を、従来の生産方法に比べて大幅に低コストで生産できるとしています。これにより、特に高価なオレオケミカルの生産において、80%以上の利益率を見込んでいるということです。
世界のパーム油生産は昨年度約7900万トンに達しましたが、市場の成長は緩やかです。リー氏は、既存のパーム油生産者に対し、新たな生産方法の可能性を提示したいと述べています。
「パーム油から他の原料への移行は一夜にしてはできませんが、業界と協力しながら多様な生産ミックスを実現するためのゆっくりとした移行が必要です」とリー氏は語っています。
