データブリックスは、OpenAIのモデルを自社のデータプラットフォームおよびAI製品「エージェントブリックス」に組み込むと発表しました。この取り組みは、AI企業が企業顧客を引きつける能力に賭ける1億ドル(約155億円)規模の複数年契約の一環です。
この契約は、生成AIを企業のスタックに導入する競争が加速していることを示しています。企業は、安全に企業データにアクセスできるAIツールの需要を見込んでいるということです。
エージェントブリックスは、企業データを基にAIアプリやエージェントを構築できる製品で、OpenAIの最新モデルがSQLやAPIを通じて利用可能となります。GPT-5はデータブリックスの顧客向けに主力モデルとして提供される方針です。
このニュースは、データブリックスが約2か月前にOpenAIのオープンウェイトモデルであるgpt-oss 20Bおよびgpt-oss 120Bをプラットフォームに追加した後に発表されました。エージェントブリックスは、異なるモデルの特定のタスクに対する性能を測定し、調整することでより適切な結果を提供するということです。
OpenAIの最高執行責任者であるブラッド・ライトキャップ氏は声明で、「データブリックスとのパートナーシップにより、当社の最先端モデルが安全な企業データが存在する場所に届けられ、企業がAIエージェントを実験、展開、スケールしやすくなる」と述べています。
この契約により、データブリックスはOpenAIのモデルが企業顧客を引きつけると見込んでいます。契約条件に基づき、AI企業のモデルが契約期間中に1億ドル(約155億円)の収益を生み出さない場合でも、データブリックスは最低1億ドルを支払う義務があります。
契約期間については明らかにされていませんが、収益が1億ドルを超えた場合、OpenAIはさらに多くの利益を得ることになります。一方、収益が不足した場合でもデータブリックスは全額を支払う必要があり、これはデータブリックスにとって潜在的なリスクとなります。OpenAIにとっては、データセンターの急速な拡大を図る中で予測可能な収入となるということです。
この契約は、データブリックスが今年初めにアンソロピックと締結した5年間で1億ドルという収益目標を設定した契約と類似しています。
データブリックスの広報担当者は、同社がすでにマスターカードを含む顧客からOpenAIのモデルへのネイティブアクセスに対する圧倒的な需要を見ているとテッククランチに伝えました。