アイルランドに本社を置くドローン配送のスタートアップ企業「Manna Aero(マナ・エアロ)」は、アメリカでの事業を大幅に拡大するため、オクラホマ州に新たな製造および運用拠点を設立すると発表しました。
同社は今年4月に調達した5000万ドル(約77億5000万円)の資金を活用し、オクラホマ州タルサに拠点を建設するということです。今後数年間で約1000人の雇用を創出する計画としています。
ボビー・ヒーリー最高経営責任者(CEO)によりますと、現在工場の建設が進められており、約1年後に製造を開始する見込みです。また、今後1年間で運用チームを200人から300人規模に拡大する方針です。さらに、アメリカ国内の他の6都市への進出も検討しており、順調に進めば2027年末までに事業を展開するとしています。
同社の最終的な目標は、アメリカ市場において「Zipline」や「Amazon」、Google傘下の「Wing」などと競合する主要なドローン配送事業者になることです。ヒーリーCEOは、アメリカ市場の規模の大きさや、既存の宅配サービスの普及などを挙げ、「アメリカは誰もが参入を望む市場だ」と述べています。
同社のドローンは、目的地に着陸せず、上空からケーブルを使って荷物を下ろす仕組みを採用しています。事業モデルとしては、1回の飛行ごとに料金を徴収するサービスを基本としつつ、企業との直接提携や自社アプリの展開などを組み合わせていく方針です。
一方、同社はこれまで本社を置くアイルランドで配送事業を行っていましたが、事業拡大に必要な規制が整備されていないことを理由に、先月、同国での配送事業から撤退しました。今後は、資金と経営資源をアメリカ市場に集中させるということです。この拡大を推進するため、航空業界の元幹部を執行会長兼社長として起用したとしています。
ヒーリーCEOは、アメリカ政府や連邦航空局(FAA)の政策が業界の成長を後押ししていると指摘しています。「規制面で成長の環境が整うまではアメリカでの拡大は計画していなかったが、今こそすべての資金をアメリカに投入する時期だと明確に判断した」と述べています。
同社はすでに2023年からテキサス州ダラス近郊で事業を開始しており、今後も同地域での規模拡大を続ける方針です。
