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2025年9月10日
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ニュークリアン社、AI導入で原子力産業支援へ1050万ドル調達

ニュークリアン社は、AI技術を活用して原子力産業の効率化を図るため、シリーズAラウンドで1050万ドル(約163億円)を調達したと発表しました。

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ニュークリアン社は、AI技術を活用して原子力産業の効率化を図るため、シリーズAラウンドで1050万ドル(約163億円)を調達したと発表しました。この資金調達は、Blue Bear Capitalが主導し、AZ-VC、Nucleation Capital、SJF Venturesが参加しました。

ニュークリアン社の共同創業者でCEOのブラッドリー・フォックス氏は、TechCrunchに対して、AI技術がビジネス面での効率化に寄与する可能性に電力会社が関心を持っていると述べています。ニュークリアン社は、世界中の65以上の原子炉でAIツールが使用されているということです。

ニュークリアン社は、創業者たちがアリゾナ州フェニックスの西に位置するパロヴェルデ原子力発電所で働いていた際に設立されました。彼らは、データサイエンスの観点から始め、より高度なAIモデルを用いて様々な反復作業を効率化する方法を模索していました。

その後、他の原子炉も注目し、「パロヴェルデで行っていることを私たちのプラントでもできるか?」と依頼があったとフォックス氏は述べています。この関心は、新型コロナウイルスのパンデミックと重なり、「仕事後に退屈していたため、スタートアップを始めよう」と考えたということです。

ニュークリアン社は、原子力産業特有の用語に特化したモデルを開発しており、要望に応じてユーティリティや電力供給者向けにカスタムモデルを訓練することができます。また、同社のソフトウェアはクラウド上で稼働しますが、セキュリティプロトコルが求められる場合、現地でのハードウェア設置も支援できます。

このスタートアップのソフトウェアは、原子炉の従業員が確認し署名する日常的な文書を生成することが可能です。フォックス氏は、「現在業界でのAIは、NRC(原子力規制委員会)によってツールと見なされているということです。ExcelやMathematica、あるいは何らかのエンジニアリングソフトウェアを使用するのと同じです。責任は常に人にあります」と述べています。

原子炉の運営者は、モデルが問題を解決する能力に対する自信や快適さに応じて、どの程度自動化するかの閾値を設定できます。「モデルが知らない場合や不確かな場合、設定に基づいて正しい人に戻し、再確認を行います」とフォックス氏は述べています。「これをジュニア社員と考えてくださいと顧客に伝えています」としています。

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