アメリカのスタートアップ企業「Hark(ハーク)」は、ウェブブラウザーを自動で操作して様々な作業を代行するAIエージェント「Hark Handoff」を開発したと発表しました。同社は今年5月に7億ドル(約1085億円)の資金調達を実施しており、新たな技術の投入で業務の自動化を推進する方針です。
同社によりますと、このエージェントはシステム間を連携する公式のAPIを持たないウェブサイトでも、スムーズに操作できるということです。具体的には、小売大手のターゲットやウォルマート、飲食店予約のオープンテーブルなどのサイトに対応しています。ウェブサイトの構造や視覚的なデータをAIが分析し、ボタンのクリックや文字の入力が必要かどうかを自動で判断するとしています。
利用者が指示を出すと、食事の注文や旅行のチケット予約、日用品の買い物、レストランの予約などを代行します。また、利用者に代わって複数の情報源を調べ、調査を行うことも可能だということです。
同社のブレット・アドコックCEO(最高経営責任者)が公開した実演動画では、利用者が指定した花を使った花束の作成を指示する様子が紹介されました。「いくつかはお店のお任せで」といった曖昧な表現にも対応できるとしています。ただ、動画は作業の一部のみを公開しているため、実際の性能については検証が必要とみられています。
技術的な戦略として、今回のリリースでは事後学習を施したAIモデルを採用し、年内には事前学習を行う計画だということです。この手法により、データの処理基盤や学習環境をより迅速に改善できるとしています。また、一般的な大規模言語モデルが「次の単語」を予測するのに対し、同社のモデルは特定の場所でのクリックやキーボード入力といった「次の行動」を予測できるのが特徴だとしています。
現在、コンピューターを自動操作するAIエージェントの開発は、グーグルやオープンAI、アンソロピックなどの大手企業が注力しています。さらに、ベンチャーキャピタルから資金提供を受けた新興企業も多数参入しており、開発競争が激化しています。
Hark社は、自社のエージェントが競合他社よりも処理速度が速く、既存の主要なAIモデルと比較して大幅に低コストで運用できるとしています。現在、サービスの利用に向けた順番待ちの受け付けを開始しており、今年の夏終わりまでに正式に提供を開始する方針です。
