アメリカのクリエイター支援プラットフォーム大手「パトレオン」は、全従業員の20%にあたる93人を解雇すると発表しました。
同社のジャック・コンテCEO(最高経営責任者)が、従業員向けのメッセージで明らかにしたものです。コンテCEOは、中核となる事業は堅調であるものの、市場の変化に対応し、コスト構造を見直して経営の安定を図るため、今回の厳しい決断に至ったと説明しています。
メッセージの中でコンテCEOは、「AI=人工知能がIT業界を根本から変化させており、その変化のスピードはかつてないほど激しい」と指摘しました。一方で、今回の人員削減は従業員をAIに置き換えることが目的ではないと強調しています。
コンテCEOは「AIのツールを活用するほど、人間の創造性や判断力、細部へのこだわりをAIが代替できないことが明確になっている」と述べました。そのうえで、人間の創造力とつながりの価値を重視することが、同社の事業戦略の基盤であるとしています。
ただし、AIが働き方や製品開発、コミュニケーションのあり方を変革しているため、組織の運営方法には影響を与えているということです。今後は人員削減に加えて、組織構造のフラット化を進め、最優先事項にチームを集中させる方針です。
対象となる従業員には、少なくとも16週間分の給与に加えて、勤続年数に応じた割増退職金が支払われます。さらに、年末までの医療保険の適用や、会社支給のパソコンに代わる端末の購入費用として1500ドル(約23万円)が支給されるということです。
パトレオンは先週、インターネット基盤を提供する「クラウドフレア」と提携し、クリエイターの作品を無断で学習するAIボットへのアクセスを直接遮断する対策を発表したばかりでした。AIによるデータの収集が巧妙化するなか、オンラインメディアやクリエイターが直面する課題に対応するため、取り組みを強化したとしています。
同社による大規模な人員削減は、2022年に全従業員の17%を削減し、ドイツのベルリンとアイルランドのダブリンのオフィスを閉鎖して以来となります。
