techcrunch
2025年8月14日
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AI企業パープレキシティ、グーグルChrome買収提案

AI検索エンジンのパープレキシティが、グーグルのChromeを3兆6千億円で買収する提案を行ったと発表しました。提案には、オープンソースプロジェクトへの3千億円の投資も含まれています。

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パープレキシティ-グーグル-Chrome-買収提案

AI検索エンジンのパープレキシティは、グーグルからChromeを3兆6千億円(約34.5ビリオンドル)で買収する提案を行ったと発表しました。この提案は、ロイター通信が報じ、パープレキシティがテッククランチに確認したものです。

パープレキシティによると、この提案にはChromeの基盤エンジンであるChromiumのオープンソース化を維持し、さらに3千億円(約3ビリオンドル)を投資することが含まれているということです。また、Chromeユーザーのデフォルト設定を変更せず、デフォルトの検索エンジンとして引き続きグーグルを使用する方針です。

グーグルはコメントを求められましたが、回答は得られていません。テッククランチは、グーグルからの回答があれば記事を更新する予定です。

この提案は、アメリカ司法省が3月にグーグルがオンライン検索での独占を維持するために違法行為を行ったとして、Chromeの売却を提案した後に行われました。グーグルはこれに同意せず、判決に対抗する意向を示しています。

パープレキシティのスポークスマンは、裁判所が今月中にも救済措置の条件を設定する可能性があると述べています。グーグルは広告技術市場での独占に関する別の連邦裁判でも争っており、司法省は広告技術製品の分割売却を提案しています。

司法省がChromeの売却を提案した際、OpenAIとパープレキシティは買収に興味を示しました。Statcounterによると、Chromeは68%の市場シェアを持つ支配的なブラウザであり、裁判所が売却を命じた場合、世界中の他の企業も入札に参加する可能性があります。

ライバルの検索エンジンDuckDuckGoのCEOは、Chromeの価値が5兆5千億円(約50ビリオンドル)以上になる可能性があると証言しました。パープレキシティの提案が成功すれば、割安と見なされるかもしれません。

それでも、今回の提案額はパープレキシティがこれまでに調達した資金や企業価値を大きく上回っています。ブルームバーグによると、パープレキシティはこれまでに約2千3百億円(約1.5ビリオンドル)を調達しており、先月の1千5百億円(約100ミリオンドル)の追加ラウンドを含めて企業価値は2兆7千億円(約18ビリオンドル)とされています。

なお、パープレキシティは先月、自社のブラウザ「Comet」を立ち上げ、AI検索事業の拡大を目指しています。また、先月にはTikTokとの合併提案も行ったと報じられています。

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