アメリカ連邦取引委員会(FTC)の元委員長であるリナ・カーン氏が、フィグマの株式公開(IPO)の成功を祝福したと発表しました。カーン氏は、スタートアップが独立して成功することが既存の大企業に買収されるよりも大きな価値を生むことができると指摘しています。
カーン氏は、2023年に中止されたアドビによるフィグマの買収計画が、規制当局の監視を受けていたことを示唆しています。アドビは欧州委員会や英国競争市場庁からの承認が得られないことを理由に挙げましたが、アメリカでもフィグマがアドビの「効果的な競争相手」となることを阻む可能性があるとして、規制当局の注目を集めていました。
カーン氏はFTC委員長として、スタートアップの買収を含むビッグテックへの挑戦を主導し、企業が「リバース・アクイハイヤー」と呼ばれる手法で規制の目を避けようとする状況を招きました。この手法は、スタートアップを直接買収するのではなく、主要なチームメンバーを雇用し、技術をライセンスするものです。
カーン氏の積極的な姿勢には技術業界の一部から激しい批判がありましたが、彼女は「再調査」を受ける取引はごくわずかであり、最終的には「6人、7人、あるいは8人の潜在的な買い手」がいる世界が創業者にとって利益になると主張しています。
ジョー・バイデン大統領によって任命されたカーン氏は、次のトランプ政権の開始とともに辞任しましたが、今回のコメントはフィグマのIPOを彼女のアプローチの正当性を示すものとしています。カーン氏は、IPOを「従業員、投資家、イノベーション、そして公共の勝利」と呼んでいます。
一方で、カーン氏の批判者は、フィグマの成功が規制監視にもかかわらず達成されたものであると見る傾向があります。ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「フィグマは大成功を収めましたが、それはFTCやカーン氏のおかげではなく、同社の革新的な成長によるものです」とビジネスインサイダーに語っています。