米国の新興企業「フェザー・ロボティクス(Feather Robotics)」は、開発者が用途に合わせて自由にカスタマイズできるモジュール式のヒト型ロボットを開発し、ロボット工学における「Android」のようなプラットフォームの構築を目指す方針を明らかにしました。
汎用ロボットがあらゆる環境に順応する画期的な技術革新がいつ訪れるかについては、専門家の間でも意見が分かれています。テスラ(Tesla)などの企業が、ハードウェアと高度な人工知能(AI)の「頭脳」の両方を独自に開発するという壮大な目標を掲げる一方、フェザー社は、開発者が現実の課題にすぐに対処できるハードウェアとソフトウェアのツールキットを提供しています。
共同創業者のホア・マイ氏は、「現在、テスラのロボットを購入してその上で開発を行うことはできません。エヌビディア(Nvidia)やアップル(Apple)などのハードウェア企業は、まず実際に稼働し導入可能な製品から始め、時間をかけて複雑さを増していく手法で成功を収めました」と述べています。
マイ氏は以前立ち上げたヒト型ロボット企業を売却した後、テスラでエンジニアを務めたパーサ・バクティアリ氏と協力し、ロボット工学における「Android」のような存在を目指して同社を設立しました。この構想は投資家から評価され、設立当初にはグラディエント・ベンチャーズ(Gradient Ventures)が主導する資金調達ラウンドで760万ドル(約11億7800万円)を調達しています。
フェザー社が開発したモジュール式のロボットシステムは、腕の長さを調整するなど、用途に応じたカスタマイズが可能です。すでに顧客への販売を開始しており、収益は100万ドル(約1億5500万円)を突破したということです。具体的な顧客名は公表されていませんが、ロボットはすでに飲食店の調理スタッフや科学実験室の清掃員として稼働しているとしています。
ソフトウェア面では、エヌビディアなどの主要なAI企業のモデルを搭載することが可能です。マイ氏は、「少量のロボットを販売し、過去1年間の実地テストでほぼすべての課題を解決しました。現在、大規模な製品発表に向けて準備を進めています」と述べています。
グラディエント・ベンチャーズのダリアン・シラジ氏によれば、米国においてフェザー社の直接的な競合は存在しないということです。中国のロボット企業が米国市場への参入を制限される中、同社は米国産のモジュール式ヒト型ロボットプラットフォームとして独自の地位を築いています。
また、価格競争力も大きな強みとしています。同社のロボットの価格は3万ドル(約465万円)で、中国企業の同等製品の約半額に設定されています。シラジ氏は、「人間の労働者を雇う場合、年間5万ドルから6万ドル(約775万円から930万円)の費用に加え、研修や人事管理などのコストがかかります。フェザー社のロボットはこれらの代替となり得ます」と指摘しています。
フェザー社は、ロボット工学の真の価値はハードウェアを中心に構築されるエコシステム(生態系)から生まれると予測しています。マイ氏は、「5年後には物理的なAIアプリケーションを開発する企業が数千社規模に達するでしょう」と述べ、同社がそれらすべての基盤となるプラットフォームになることを目指す方針です。
