ウェブブラウザの開発競争が新たな段階に入り、検索機能の向上だけでなく、人工知能(AI)がユーザーの代わりに作業を行う機能が焦点になっているということです。現在、グーグルの「Chrome」とアップルの「Safari」が市場で高いシェアを占めていますが、2026年には新興企業から大手IT企業まで、新たなブラウザの投入が相次いでいます。
これらの企業は、ブラウザを単なるウェブサイトの閲覧ツールから、作業を代行するアシスタントへと進化させる方針です。現在、AIを活用したものや、カスタマイズ性やプライバシー保護を重視したオープンソース型、さらにユーザーの精神的な健康に配慮した「マインドフル・ブラウザ」など、多様な選択肢が登場しています。
AI検索エンジンを手がけるアメリカの新興企業「Perplexity(パープレキシティ)」は、新たなAI搭載ブラウザ「Comet」を発表しました。チャットボット型の検索エンジンとして機能し、メールの要約やスケジュール登録などを代行するということです。現在は月額200ドル(約3万1000円)の最上位プランの利用者に限定して提供されています。
また、新興企業「The Browser Company」は、AIを中心としたブラウザ「Dia」のベータ版を発表しました。ユーザーの閲覧履歴やログイン情報を基に、情報の検索やファイルの要約などを支援するとしています。
さらに、「Opera」はAIエージェント機能を備えたブラウザ「Neon」を発表しました。文脈を理解し、調査や買い物、プログラミングのコード作成などを代行するほか、オフラインでも一部の作業が可能だということです。利用料は月額19.90ドル(約3100円)としています。
アメリカの「OpenAI」も、AIを搭載したウェブブラウザ「Atlas」の提供を始めました。外部のリンクに移動することなく、チャットボット内で検索結果を確認できるほか、AIに作業を代行させる「エージェントモード」も備えているということです。
このほか、自動化プラットフォームの「Aside」や、閲覧履歴に基づいてパーソナライズされた提案を行う「Jatter」なども登場しています。「Jatter」は無料で利用できますが、月額10ドル(約1550円)の有料プランも用意されています。
プライバシー保護を重視するブラウザとしては、「Brave」が知られています。広告や追跡機能を遮断する機能を備えるほか、広告の閲覧に同意したユーザーには独自の暗号資産を付与する仕組みを導入しています。
また、検索エンジンで知られる「DuckDuckGo」は、生成AI機能を導入するとともに、詐欺サイトの検出機能を強化したと発表しました。
一方、新たなオープンソースブラウザの開発を目指す「Ladybird」は、既存のプログラムに依存せず、ゼロからブラウザを構築する方針です。2026年に初期のアルファ版を公開する予定だとしています。
「Vivaldi」は、ユーザーが画面の表示を自由に変更できる高いカスタマイズ性を特徴としており、プライバシー保護機能も備えています。
ユーザーの精神的な健康に配慮したブラウザも登場しています。「Opera」が提供する「Air」は、休憩を促す通知や呼吸法のエクササイズなど、独自の機能を備えているということです。
また、Mac専用の「SigmaOS」は、タブをタスク管理のように扱えるインターフェースを採用し、生産性の向上を目指しています。利用は無料ですが、月額8ドル(約1240円)の有料プランも提供されています。
さらに、オープンソースの「Zen Browser」は、タブの整理機能などを通じて「穏やかなインターネット環境」の構築を目指すとしています。
