アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、起業家のジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙開発企業「ブルーオリジン」が、100億ドル(約1兆5500億円)の資金調達を行うと報じました。資金調達前の企業価値は1300億ドル(約20兆1500億円)と評価されているということです。
今回の資金調達は、同社にとって初めての外部からの資金受け入れとなります。報道によりますと、投資会社「コーチュー・アセット・マネジメント」が約40億ドル(約6200億円)を出資する見通しです。また、ベゾス氏自身も20億ドル(約3100億円)を拠出し、残りの額は他の大手投資家が引き受けるとしています。
ブルーオリジンをめぐっては、今年5月下旬、4回目の打ち上げに向けた試験中に主力ロケット「ニュー・グレン」が爆発する事故が発生し、開発計画に遅れが生じていました。先週の時点で爆発の原因は特定されていないということですが、会社側は今年後半に同ロケットの打ち上げを行う方針を維持しています。さらに、この大型ロケットを運用できる唯一の施設であるフロリダ州ケープカナベラルの発射台の再建も急務となっています。
同社は現在、NASA(アメリカ航空宇宙局)の月探査計画「アルテミス計画」の支援に事業の焦点を完全に絞っており、「ニュー・グレン」の実用化を最優先課題と位置づけています。また、膨大な計算処理能力を地球の軌道上に移行させるという新たな潮流を見据え、宇宙空間でデータセンターを打ち上げ、運用する構想も掲げています。
さらに、今回調達した資金の一部は、今年初めに発表された衛星インターネット網の構築にも充てられる可能性があるということです。これは数千機の人工衛星を活用し、企業や政府機関、データセンター向けに通信サービスを提供する計画です。
今回の資金調達は、競合する「スペースX」が先月実施した大規模な新規株式公開(IPO)に続く動きとなります。報道によりますと、AIやデータセンター、宇宙開発を手がけるスペースXは、このIPOにおいて1兆7500億ドル(約271兆2500億円)の企業価値評価を受け、850億ドル(約13兆1750億円)以上を調達したということです。ブルーオリジンとしても、今回の巨額調達を通じて開発競争をさらに加速させる方針です。
