アメリカの金融IT大手「ペイパル」は、業績の立て直しに向けた新たな企業再建計画を策定したと発表しました。この計画の一環として、同業の「ストライプ」などへ自社を売却する交渉が本格化しているということです。
アメリカの経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の報道によりますと、今年7月、決済サービス大手のストライプと投資ファンド大手の「アドベント」が、ペイパルに対して買収を提案したということです。提示額は1株あたり60.50ドル(約9378円)で、企業価値を530億ドル(約8兆2150億円)と見積もる内容でした。
ペイパルは当初、この提案に難色を示したとしています。しかし、関係者によりますと、その後も水面下で交渉が続けられており、数週間以内に合意に達する可能性があるということです。これについて、ペイパルはコメントを控えており、ストライプの担当者も「うわさや憶測にはコメントしない」としています。
今回の買収交渉は、ペイパルのエンリケ・ロレス最高経営責任者(CEO)が主導する企業再建策のなかで進められています。パソコン大手「HP」を経て今年3月に就任したロレスCEOは、4月に経営陣の刷新を実施しました。あわせて、事業を「決済ソリューション」「消費者向け金融サービス」「支払いおよび暗号資産サービス」の3つのモデルに分割する方針を示しています。さらに5月には、事業の基本に立ち返り、「再びテクノロジー企業としての地位を確立する」という戦略を投資家に向けて説明したということです。
また、ペイパルはコスト削減策も進める方針です。今後2年から3年をかけて、従業員の20%を削減する計画だとしています。
ペイパルは1998年に設立され、ピーター・ティール氏やイーロン・マスク氏、マックス・レヴチン氏、ルーク・ノゼック氏など、後にIT業界を牽引する著名な起業家たちによって育てられました。新型コロナウイルスの感染拡大期には、インターネット通販の急増を背景に急成長しましたが、近年は業績の低迷に苦しんでいます。
