アメリカの医療機器大手「ボストン・サイエンティフィック」は、サイバー攻撃を受け、世界規模で業務に支障が出ていると発表しました。
同社はペースメーカーや除細動器などの体内植え込み型医療機器を製造しています。アメリカ証券取引委員会(SEC)に提出された資料によりますと、現地時間の火曜日から、業務に不可欠なITシステムやアプリケーションへのアクセスに障害が発生しているということです。これにより、商品の出荷や注文処理に影響が出ているとしています。
一方、すでに医療機器を使用している患者に影響が及んでいるかどうかは明らかにされていません。同社の広報担当者は声明を発表したものの、患者への影響や推奨される対応、およびサイバー攻撃の詳細についてはコメントを控えたということです。同社のウェブサイトによりますと、年間約4800万人の患者が同社の製品や治療を利用しているとしています。
現在も原因の調査が進められており、システム復旧の具体的なめどは立っていないということです。アイルランドの地元メディアによりますと、同国南部コークにある同社の拠点では、ネットワーク通信が遮断されたため、数千人の従業員が帰宅を余儀なくされたと報じられています。
医療技術分野では近年、サイバー攻撃の被害が相次いでいます。今年に入り、「アボット・ラボラトリーズ」や「メドトロニック」などの大手医療機器メーカーがハッキング被害を受けました。また、今年初めにはアメリカの医療機器メーカー「ストライカー」が、イランの支援を受けるハッカー集団による攻撃を受け、数万台の従業員用端末のデータが遠隔操作で消去される被害も報告されているということです。
公開されているインターネット上の記録によりますと、ボストン・サイエンティフィックの社内インフラは、主にマイクロソフトやアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のシステムを利用しているということです。
