アメリカの航空機大手ボーイングの傘下で、電動の「空飛ぶクルマ」を開発する企業について、元従業員が安全上の懸念を社内で指摘したあとに不当に解雇されたとして、裁判所に提訴したことが明らかになりました。
提訴されたのは、ボーイングの子会社で電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発する「ウィスク・アエロ(Wisk Aero)」です。
アメリカのメディアの報道によりますと、元ソフトウェアマネージャーのブリアナ・オニール氏が今週、カリフォルニア州のサンタクララ上級裁判所に差別と不当解雇を訴え、提訴したということです。
オニール氏の主張によりますと、ウィスク・アエロは2025年の試験飛行の期限に間に合わせるため、アメリカ連邦航空局(FAA)が義務付けているソフトウェアの試験を減らすよう技術者に指示していたということです。オニール氏はこの問題について2回にわたって社内で安全に関する報告を行いましたが、2回目の報告から数週間後に解雇されたとしています。
ウィスク・アエロは2019年に設立され、完全な自動運転による「空飛ぶクルマ」の商業化を目指して開発を進めています。また、今年に入り、連邦航空局が主導する3年間の試験飛行プログラムへの参加が承認された8社のうちの1社となっています。
今回の訴訟について、親会社のボーイングはコメントを控えているほか、ウィスク・アエロも「係争中の訴訟についてはコメントできない」としています。
