アメリカのITスタートアップ企業「Particle(パーティクル)」は、ポッドキャストの音声をAI=人工知能が検索・分析できる新たなサービス「Radar(レーダー)」の提供を開始したと発表しました。音声データを文字に起こすだけでなく、内容を理解して重要な発言を抽出できるとしており、AIエージェント向けの新たなデータ源として注目されています。
Particleは、旧Twitterの元エンジニアらが設立した企業です。これまでAIを活用したニュース読み上げアプリを開発してきましたが、企業の戦略を転換し、ポッドキャストに埋もれた音声会話のデータ化に注力する方針を明らかにしました。
同社のサラ・ベイクプールCEOによりますと、新たなサービスはすでにビジネス面で高い関心を集めているということです。特に、AIエージェントが通常はアクセスできないデータを求めるヘッジファンドが、API(システム間をつなぐ技術)を直接組み込む最大の顧客となっています。また、AI検索プラットフォームやデータ販売業者なども主要な顧客になっているということです。
このサービスの開発は、同社が提供していたニュースアプリの機能がきっかけとなりました。アプリ内では、ニュースに関連するポッドキャストの音声を切り取って提供していましたが、AIエージェントの普及が進む中、音声データの分析に特化したAPIの構築へと事業の方向性を転換したということです。
ベイクプールCEOは「多くのAIエージェントはウェブ上のテキストデータに依存しており、音声データは文字起こしされない限り認識できません。私たちは音声データの層を提供します」と述べています。
「Radar」は、現在13万以上のポッドキャスト番組を文字起こししており、この分野で最大規模のサービスだとしています。毎日2万件のエピソードが追加され、発言者の特定や、話題となっている人物、企業、ブランドなどの情報を詳細に分析することができます。
また、特定の企業や話題が言及された際に、メールやチャットツールを通じて通知を受け取る機能も備えています。さらに、ポッドキャスト内の広告を検索し、企業の出稿状況や傾向を追跡する機能もあり、政治的な偏向の分析や視聴者数の推定といった多様なデータも提供するとしています。
利用料金は、1ユーザーあたり月額29ドル(約4,500円)、20ユーザーが利用できる企業向けプランは月額399ドル(約6万1,800円)に設定されています。APIの利用料金は、用途に応じて個別に設定されるということです。
同社は今後、ポッドキャストだけでなく、動画共有サイトのYouTubeやニュースの音声など、他の音声メディアにもサービスを拡大していく方針です。
