アメリカのIT大手メタ(Meta)は、10代の利用者が同社の人工知能(AI)とどのようなテーマで会話したかについて、保護者が確認できる新たな機能を導入したと発表しました。
発表によりますと、保護者向けの管理ツール内に新たに「インサイト」という項目が追加されます。これにより、保護者は過去1週間に子どもが「フェイスブック」や「インスタグラム」などのアプリ上でAIと会話したテーマを把握できるようになるということです。
確認できるテーマは、「学校」「エンターテインメント」「ライフスタイル」「旅行」「健康と福祉」など多岐にわたります。さらに、テーマを選択すると詳細なカテゴリーが表示され、例えば「ライフスタイル」であればファッションや食事、「健康と福祉」であれば運動やメンタルヘルスといった具体的な内容が確認できるとしています。
この機能は現在、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ブラジルで提供が開始されており、今後数週間以内に世界各国で順次導入される方針です。
メタは昨年10月、保護者が子どものAI利用をサポートするための新機能を開発していると明らかにしていました。当初は、特定の「AIキャラクター」へのアクセスを制限する機能なども検討されていましたが、同社は今年1月、10代向けの改良版を新たに開発するとして、世界中で10代の利用者によるAIキャラクターの利用を一時停止しています。
AIキャラクターとは、料理人などの特定の役割を持たせたり、実在する著名人を模したりした対話型のAI機能のことです。
メタがAIキャラクターの利用を停止した背景には、子どもの安全保護をめぐる訴訟問題があります。利用停止の直前には、アメリカ・ニューメキシコ州で同社が未成年者の保護を怠ったとして提訴された裁判が始まっており、最終的に裁判所はメタが子どもの安全を脅かしたとする法的責任を認める判決を下しました。
IT大手各社に対して子どもの安全対策を求める声が高まる中、今回の新機能導入には、保護者への情報提供を通じてプラットフォーム上の安全性を強化するねらいがあるとみられます。
また、メタは保護者に対し、子どもとAIの利用について対話するためのガイドラインを提供すると発表しました。さらに、10代向けのAI製品の開発に助言を行う新たな専門家委員会(AI Wellbeing Expert Council)を設立する方針も明らかにしています。
