techcrunch
2025年7月19日
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メタ、EUのAI実施規範署名を拒否

メタ社は、欧州連合のAI法に関する実施規範への署名を拒否したと発表しました。これにより、AIモデル提供者に対するEUの規制に対する反発が続いています。

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メタ-EU-AI-実施規範-署名拒否

メタ社は、欧州連合のAI法に関する実施規範への署名を拒否したと発表しました。この規範は、一般目的AIモデルの提供者に対する新しいEUの規則が施行される数週間前に発表されたものです。

メタ社のグローバルアフェアーズ担当最高責任者であるジョエル・カプラン氏は、LinkedInに「欧州はAIに関して間違った道を進んでいる」と投稿しました。カプラン氏は、欧州委員会の一般目的AIモデルに関する実施規範を慎重に検討した結果、メタ社はこれに署名しないと述べました。この規範は、モデル開発者にとって多くの法的な不確実性をもたらし、AI法の範囲を超える措置を導入しているということです。

欧州連合の実施規範は、今月初めに発表された任意の枠組みであり、企業がAI規制に準拠するためのプロセスやシステムを実施するのを支援することを目的としています。この規範では、企業がAIツールやサービスに関する文書を提供し、定期的に更新することを求めており、また、著作権侵害コンテンツでAIを訓練することを禁止しています。さらに、企業はコンテンツ所有者の要求に応じてデータセットにその作品を使用しないようにする必要があります。

カプラン氏は、EUの立法実施を「過剰」と呼び、この法律が「欧州における最先端AIモデルの開発と展開を抑制し、それに基づいてビジネスを構築しようとする欧州企業を妨げる」と主張しています。

AIの応用に関するリスクベースの規制であるAI法は、認知行動操作や社会的スコアリングなどの「許容できないリスク」の使用事例を全面的に禁止しています。また、バイオメトリクスや顔認識、教育や雇用などの分野における「高リスク」使用を定義しています。さらに、開発者にはAIシステムの登録とリスクおよび品質管理の義務を課しています。

アルファベットやメタ、マイクロソフト、ミストラルAIなど、世界中のテクノロジー企業は、これらの規則に反対し、欧州委員会に施行の遅延を求めていますが、委員会はそのスケジュールを変更しない方針です。

また、金曜日には、AIモデル提供者向けのガイドラインがEUによって発表されました。これにより、8月2日から施行される規則が、OpenAI、Anthropic、Google、Metaなどの「システムリスクを伴う一般目的AIモデル」の提供者に影響を与えるということです。これらのモデルが8月2日以前に市場に出ている場合、企業は2027年8月2日までに法令に準拠する必要があります。

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