アメリカのIT大手メタ(Meta)は、カメラを搭載しない音声専用のAIスマートグラス「Ray-Ban Meta Audio」を新たに開発し、10月13日から予約の受け付けを始めると発表しました。カメラ付きのスマートグラスをめぐってはプライバシーへの懸念が指摘されており、音声機能に特化することで利用者の不安を払拭するねらいがあるということです。
メタは、水曜日に開かれた開発者向け会議「Connect 2026」で新たなスマートグラスを発表しました。新製品の価格は349ドル(日本円で約5万4000円)からとなっており、提携先である眼鏡メーカー大手のエシロールルックスオティカと共同で設計されました。
これまでのカメラ付きAIスマートグラスをめぐっては、無断で動画を撮影されるおそれがあるとして、一部で批判の声が上がっていました。メタは録画中を示すLEDライトが覆われた場合にカメラを無効にするなどの対策をとってきましたが、プライバシーへの懸念は完全には払拭されていませんでした。
今回発表された新製品はカメラを搭載せず、音声機能に特化しています。音楽やポッドキャストの再生、音声通話、音声翻訳のほか、メタの最新AIアシスタント「Muse(ミューズ)」との対話が可能だということです。アップルの「AirPods」などの音声デバイスに対抗するねらいもあるとみられます。
メタのマーク・ザッカーバーグCEOは基調講演で、「高品質な音声に慣れると、常に利用したくなるものです」と述べ、音声に特化した新しいカテゴリーの製品として市場を開拓する方針を示しました。
カメラを省いたことで、本体の重さは43グラムと軽量化されました。1回の充電で最大12時間、付属の充電ケースを使用すれば最大48時間の利用が可能だとしています。デザインはレトロな「クラブマスター」やクラシックな長方形の「バーバンク」といった新しいスタイルが追加され、合計23種類の組み合わせから選ぶことができるということです。必要に応じて度付きレンズを注文することも可能です。
一方、メタは次世代のカメラ付きAIスマートグラス「Ray-Ban Meta(第3世代)」もあわせて発表しました。従来のデザインに加え、「アビエーター」や「ゼナ」と呼ばれる新たなフレーム形状を追加する方針です。1200万画素のカメラで3KウルトラHDの動画撮影に対応するほか、6つのマイクを搭載し、最大9時間駆動するバッテリーを備えているということです。
エシロールルックスオティカとの共同開発によるスマートグラスは、デザインやカラーのラインナップを拡充し、販売国を世界的に拡大するとしています。また、歌手のカイリー・ジェンナー氏に続き、新たにLISA氏とのパートナーシップも発表されました。
さらに、今後のソフトウェアの更新により、複数のフレームから最適な写真を選択する機能や、難聴者向けの聴覚サポート機能を追加していくとしています。あわせて、メタ側が利用者のデータを閲覧できないようにする「プライベート処理」と呼ばれる機能などを導入し、データ保護を強化する方針です。
