アメリカのIT大手「メタ」は、将来の成長分野として「予測市場」に参入し、独自のスマートフォン向けアプリを開発する方針を固めたということです。
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズの報道によりますと、メタのマーク・ザッカーバーグCEOは、社内で「アリーナ(Arena)」と呼ばれるプロジェクトを承認しました。これは「ポリマーケット(Polymarket)」のような予測市場アプリを開発するものです。このアプリは、メタが展開する既存のSNSとは独立したサービスになる方針です。一方で、既存のSNSから新しいアプリへ利用者を誘導する仕組みも検討されているということです。
現在の構想では、このアプリは「実験的でありながら最優先事項」として位置づけられています。当初は実際の資金を使わず、特定のテーマに関する予測が的中した場合にポイントを獲得できる、ゲームのような形式になるとしています。関係者によりますと、将来的には実際の資金による取引を導入する可能性もあるということです。
過去1年間で、予測市場は大きな利益を生み出す一方で、物議を醸してきました。今年4月の時点で、ポリマーケットや「カルシ(Kalshi)」といった主要プラットフォームでの取引額は、数百億ドル(数兆円規模)に達したとされています。また、旧ツイッターの「X」が昨年夏にポリマーケットと提携するなど、他のSNS企業もこの分野への参入を図っています。
一方で、法的な問題も急増しています。ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束作戦をめぐり、元特殊部隊の隊員が内部情報を利用して不当に利益を得たとして告発された事例が報告されています。また、アメリカのジョージ・サントス元下院議員が、カルシでの取引に関連して調査を受けているということです。
さらに、アメリカの複数の州政府は、予測市場が賭博法に違反しているとして提訴に踏み切っています。これに対し、予測市場を推進する立場をとる現政権が、提訴した州政府を逆に訴えるなど、事態は複雑化しているということです。
