アメリカのIT大手メタ(Meta)は、新たなAI(人工知能)モデル「Muse Spark」を発表しました。同社はAI分野に数十億ドル(数千億円規模)の投資を行っており、メタバース事業での損失挽回に向けた重要な戦略と位置づけているということです。一方で、同社が提供するAIアプリの利用状況が他のSNSで共有される仕様に対し、プライバシーへの懸念を示す声が上がっています。
メタは、自社のAI開発体制を大幅に見直す方針です。過去にメタバース事業で巨額の資金を投じたものの、十分な収益化に至らなかった背景があり、今回のAIモデル展開は同社にとって極めて重要な取り組みになるとされています。
しかし、同社が提供する「Meta AI」アプリをめぐっては、利用者のプライバシーに関する課題が指摘されています。このアプリを利用すると、連携している画像共有アプリ「インスタグラム」上で、友人やフォロワーに対してAIアプリの利用を知らせる通知が自動的に送られる仕組みになっているということです。
市場調査会社によると、同アプリは公開当初の1か月半で約650万回のダウンロードにとどまっていましたが、新たな対話型AIの導入により利用者が急増しています。アメリカのアプリストアでは、順位が57位から5位に急上昇したということです。
利用者が拡大する中、データ管理のあり方も焦点となっています。AIアプリの利用にはメタの統合アカウントが必要であり、インスタグラムやフェイスブックとデータが共有されます。そのため、AIとの対話内容が、他のアプリでのターゲティング広告に利用される可能性があると指摘されています。
また、過去にはアプリ内にAIとの会話を公開できる機能が設けられていましたが、利用者が意図せずに自身の健康状態や住所などの個人情報を公開してしまう事例が相次ぎました。現在、この公開機能は削除されたということです。メタのサービスが複雑に連携する中、利用者は自身のデータがどのように扱われているか、慎重な確認が求められています。
