アメリカのIT大手メタは、カリフォルニア州で開催した年次開発者会議「Connect」において、独自のAIエージェント「Muse(ミューズ)」の大幅な機能拡充を行うと発表しました。
メタのマーク・ザッカーバーグCEOは基調講演で、同社が「Muse」の開発に注力する姿勢を鮮明にしました。ザッカーバーグCEOは、「数年以内に、Museが世界中の何十億人もの人々に利用される個人的な超知能に成長すると期待している」と述べています。
また、収益化の戦略についても言及しました。当面は無料で提供して利用者を拡大し、将来的には決済などの取引から少額の手数料を徴収することで収益を得る方針だということです。
今回発表された主な新機能は以下の通りです。
【アバターとのリアルタイム対話】 利用者が独自のアバター(分身)を作成し、リアルタイムでビデオ通話ができる機能が追加されます。この機能は、新たに開発されたAIモデル「Muse Realtime Avatar」によって駆動するということです。これまで姿を持たなかったAIに顔や体、声を与えることで、より親しみやすい存在にする狙いがあります。
【スマートグラスとの連携】 メタが展開するスマートグラス(眼鏡型端末)にも「Muse」が統合される方針です。利用者はスマートグラスに話しかけるだけでAIを起動でき、運動の指導や食事の記録、予約の手配、商品の購入などを音声で指示できるようになります。この機能は今後数か月以内に提供される予定だとしています。
【Mac向けデスクトップ操作機能】 パソコンの「Mac」向けにも機能が拡張されます。利用者が指示を出すと、AIがバックグラウンドでデスクトップ上のあらゆるアプリを自動的に操作し、業務を代行するということです。
メタのAI部門責任者であるアレクサンドル・ワン氏は、「パソコンから離れていても、AIが指示された作業を継続して実行する」と説明しています。
【専用メールアドレスの付与】 「Muse」に専用のメールアドレスを割り当てる機能も近く導入される予定です。これにより、利用者に代わってAIがメールの返信や転送などの処理を自律的に行うことができるようになります。
【小売・決済サービスとの連携強化】 メタは、「Muse」をオンラインショッピングの重要な基盤と位置づけています。決済サービスの「Stripe」や「PayPal」、電子商取引プラットフォームの「Shopify」と提携したほか、ウォルマートやベストバイ、アパレルのギャップなど多数の小売大手とも連携する方針です。
さらに、外部の開発者が独自の連携機能を構築できるプラットフォームを公開したところ、1週間足らずで1500件以上の応募があったということです。メタは、AIエージェントを軸とした新たなプラットフォームの構築を急ぐ構えです。
