アメリカのIT大手「メタ」は、同社が運営するSNSが子どもに悪影響を与えているとして全米29の州から提訴されていた裁判で、最大180億ドル(約2兆7900億円)を支払うことで和解に合意したと発表しました。
この裁判は、メタがSNSの「インスタグラム」や「フェイスブック」について、若年層への悪影響を認識しながら意図的に依存症を引き起こすように設計したとして、各州の司法長官らが訴えを起こしていたものです。また、保護者の同意なしに子どものデータを収集し、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したとも指摘されていました。
メタは今回の和解によって法的な責任を認めたわけではないとしていますが、陪審員による裁判を回避する狙いがあるものとみられています。
メタは今回の和解を機に、52の州や地域の司法長官と共同で策定した10年間にわたる保護対策の枠組みを導入する方針です。裁判所の承認が得られれば、この措置は10年間にわたって維持されるということです。すでに10代の利用者のアカウントを初期設定で非公開にしていますが、今後は大人が10代の利用者を見つけて交流することを防ぐ対策をさらに強化するとしています。また、既存のペアレンタルコントロール(保護者による管理機能)を拡充するほか、有害なコンテンツの報告に対する対応時間を短縮する方針です。
一方で、友人や家族とのつながりを維持するため、ダイレクトメッセージ(DM)については利用時間の制限や通知の制限の対象外にするとしています。
和解金となる最大180億ドル(約2兆7900億円)は、10年間かけて各州に分配される予定です。ただし、このうち30%にあたる約53億ドル(約8215億円)については、「ユーチューブ」や「ティックトック」が1日1時間の利用時間制限や夜間モード、年齢確認措置を導入し、かつ同額の支払いに同意した場合にのみ支払われるという条件が設けられています。
メタの最高法務責任者(CLO)であるC.J.マホニー氏は声明で、「10代の若者は多数のアプリを日常的に行き来しているため、業界全体での解決策が必要だ。同業他社であるティックトックやユーチューブに対し、この新たな枠組みを直ちに導入するよう求める」と述べています。
メタは今年第3四半期に100億ドル(約1兆5500億円)の法務費用を計上する見通しで、会社の経費や利益に影響を与えるとしています。一方で、和解の発表を受けて同社の株価は上昇しました。
