スマートフォンの即時性に疲れを感じる人々の間で、メッセージの送信に数時間から数日かかる新しいSNSアプリが注目を集めており、開発者は利用者がまもなく30万人に達する見込みだと発表しました。
このアプリは「Roost(ルースト)」と呼ばれ、アメリカの企業で安全対策などを担当するプロダクトマネージャー、ローガン・メンデルソン氏が個人で開発しました。 利用者はアプリ内で「鳥」を選び、その鳥を通じて友人や匿名の相手にメッセージを送ります。メッセージが届くまでの時間は、ハヤブサやハチドリなど選んだ鳥の実際の飛行速度や、相手との距離に応じて計算されるため、数時間から数日かかる仕組みとなっています。より時間をかけたい場合は、カタツムリやカメを選ぶこともできるということです。
メンデルソン氏によりますと、当初は友人同士で楽しむために開発されましたが、SNS上で「娘が鳥の速度に合わせて古風な言葉遣いでメッセージをやり取りしている」という母親の投稿をきっかけに利用者が急増しました。 同氏は「現代のスマートフォンはすべてが即座に反応し、常に通知に追われる状態にあります。このアプリはそうした即時性から離れ、返信のプレッシャーを感じずにコミュニケーションをとれる点が評価されています」としています。
また、安全対策にも重点が置かれています。 利用者の位置情報は原則として「都市名」のみが共有され、詳細な位置情報は特定の友人にのみ手動で公開する仕組みとなっています。さらに、匿名の相手と交流できる機能では個人情報の交換を警告しているほか、不適切なコンテンツを防ぐ技術が確立するまでは、写真の送信機能は導入しない方針です。
一方で、アプリ内の鳥の画像にAI(人工知能)が生成したイラストを使用していたことに対し、一部の利用者から批判の声が上がったということです。 これを受け、メンデルソン氏はAI画像の利用を見直し、実際のアーティストからイラストを募集するコンテストを開催するなどの対応をとっています。
メンデルソン氏は外部からの資金調達を行わず、アプリ内の課金のみで運営を続けています。「開発や維持にはAIの支援が不可欠ですが、最終的な方針は利用者との対話を通じて決定していく」としており、利用者の声を反映しながらサービスを改善していく考えを示しています。
