台湾の半導体メーカー、メディアテックは、スマートフォン向けの最新最上位チップ「Dimensity 9600 Pro」を開発したと発表しました。台湾のTSMCが手がける最新の2ナノメートル製造プロセスを採用しているということです。
同社によりますと、この新製品はイギリスの半導体設計大手アームの最新コアを用いた「2+3+3」の構成となる第4世代の「オール・ビッグコア」設計を採用しています。具体的には、最大周波数4.55GHzのコアを2基、4.35GHzのコアを3基、3.1GHzのコアを3基搭載し、中間記憶装置であるキャッシュメモリの容量も21%拡大しています。これにより、前世代のチップと比較して単一コアの処理性能が17%、複数コアの処理性能が15%向上したとしています。
メディアテックは、業界に先駆けて2ナノメートルプロセスを採用することで、スマートフォンの処理能力と電力効率の基準を同時に引き上げる戦略的な製品に位置づけています。
また、記憶装置の規格として、読み書き速度が従来比で2倍となる「UFS 5.0」や、データ転送の帯域幅が33%向上する最新のメモリ規格「LPDDR6」に業界でいち早く対応したということです。
画像処理を担うGPUには「G2-Ultra NX」を採用し、ピーク時の性能を27%向上させつつ、消費電力を24%削減しました。光の反射などをリアルに描画するレイトレーシングの処理速度も18%向上し、ゲームプレイにおいて最大185fpsの極めて滑らかな映像表示をサポートするとしています。
さらに、AI(人工知能)の処理を担う第2世代の専用プロセッサ(NPU)を搭載し、消費電力を40%削減しながら、電力あたりのAI生成能力を向上させたということです。カメラの画像処理においても、4K解像度での240fpsの超スローモーション撮影や、AIを活用した色調補正機能などに対応しています。
この最新チップを搭載する最初のスマートフォンの一つとして、中国の通信機器メーカーOPPO(オッポ)が来週発表する予定の「Find X10 Pro Max」が見込まれています。
あわせて、メディアテックは廉価版となる「Dimensity 9600M」も発表しました。最上位クラスの性能を維持しつつコストを抑えたモデルとしており、最新の記憶装置規格「UFS 5.0」には非対応とし、アームの旧世代コア「C1」を採用する方針です。
