オープンソースのAI=人工知能モデルの開発を目指すアメリカのスタートアップ企業「リフレクションAI(Reflection AI)」は、ヨーロッパのAIインフラ企業「ネビウス(Nebius)」と、10億ドル(約1550億円)規模の計算資源の利用に関する契約を締結したと発表しました。
ネビウスは、ロシアのIT大手「ヤンデックス」の海外部門を前身とする企業です。今回の契約により、リフレクションはアメリカの半導体大手「NVIDIA(エヌビディア)」の最新チップを利用できるようになるということです。リフレクションは数週間前にも、アメリカの宇宙開発企業「スペースX」の計算資源を利用する同様の契約を結んだばかりです。AI開発企業の間では、モデルの学習や運用に必要な計算資源を確保する動きが加速しており、今回の提携もその一環とみられます。
現在、AI業界ではデータの保存に関する懸念や政府の介入などを背景に、一部の企業が独占する非公開のAIモデルの価値をめぐる議論が活発化しています。こうした中、リフレクションや中国の企業などが開発する「オープンウェイト(公開型)」のAIモデルに大きな注目が集まっています。
アメリカでは先月、トランプ政権が「アンスロピック」や「オープンAI」といった主要企業に対し、最新の高性能モデルの利用を制限するよう圧力をかけました。これにより、AIモデルへのアクセスが突然遮断されるのではないかという懸念が広がっています。さらに、中国から高性能なオープンモデルが公開されたことも重なり、オープンソースのAIに対する社会的な関心が急速に高まっているということです。
リフレクションは、アメリカのIT大手グーグルのAI開発部門「ディープマインド」の元研究者2人によって2024年に設立されました。現在の企業評価額は80億ドル(約1兆2400億円)に上ります。これまでに、NVIDIAや大手ベンチャーキャピタルの「セコイア・キャピタル」などから、およそ26億ドル(約4030億円)の資金を調達しています。
一方、計算資源を提供するネビウスも事業を急速に拡大する方針です。同社はNVIDIAから20億ドル(約3100億円)の投資を受けた直後に、アメリカのIT大手「メタ」と最大270億ドル(約4兆1850億円)に上る5年間のインフラ提供契約を結びました。また、昨年にはアメリカの「マイクロソフト」とも最大194億ドル(約3兆70億円)の複数年契約を締結したとしています。
