アメリカの電気自動車メーカー「ルーシッド・モーターズ」は、連邦破産法第11条の適用申請を検討しているとする一部の報道について、事実無根であると否定する声明を発表しました。
同社の広報責任者は、アメリカのIT専門メディアに対し、「報道されたうわさは完全に誤りだ」と述べました。そのうえで、「直近の四半期決算で公表したように、来年まで事業を継続するための十分な資金を確保しており、報道にあるようなシナリオを検討する特別委員会も設置していない」としています。
さらに、「事業運営の強化や、当社の技術や製品の可能性を最大限に引き出すことに注力していく方針だ」と強調しました。
この報道の影響で、同社の株価は一時50%以上急落し、取引時間中として過去最大の下落幅を記録しました。その後、株価は持ち直し、1株あたり4.72ドル(約730円)で取引されましたが、始値を約14%下回る水準となっています。
発端となったのは、アメリカの電気自動車関連のブログメディアによる報道です。コンサルティング会社「アリックスパートナーズ」の助言を受け、ルーシッド・モーターズが破産申請や株式の非公開化を検討していると伝えていました。これに対し広報責任者は、同社が事業強化のための支援を受けていることは認めたものの、「経営陣や取締役会に対して破産が勧告された事実はない」と説明しています。
アリックスパートナーズは近年、経営難に陥った複数の電気自動車メーカーのコンサルティングを請け負ってきた実績があります。
ルーシッド・モーターズは高い技術力を持つ一方で、高級電気自動車の販売に苦戦しています。ことし第2四半期の納入台数は3953台にとどまりました。需要の伸び悩みに対応するため、今月にはアリゾナ州の工場での生産体制を縮小すると発表したほか、ことしに入って2000人以上の従業員を削減するなど、大規模な事業再編を進めています。
一方で、新たな成長戦略として、ことし後半に価格を抑えた小型の多目的スポーツ車(SUV)の投入を予定しています。また、配車サービス大手のウーバーなどと提携し、ことし末までに自動運転技術を活用した高級タクシー事業を開始する計画です。ウーバーは今後数年間で、ルーシッド・モーターズの車両を少なくとも3万5000台購入する方針を示しており、同社はこうした取り組みを通じて経営の立て直しを図るということです。
