アメリカのIT専門調査会社IDCは、今年第1四半期の世界のスマートフォン出荷台数が前年同期比で4.1%減少し、2年半続いていた市場の成長がマイナスに転じたと発表しました。半導体メモリの供給不足と価格高騰が主な要因だということです。
IDCによりますと、スマートフォンの大半は利益率が低く設定されており、メモリなどの部品価格が2倍以上に高騰する中、多くのメーカーが消費者に価格転嫁を余儀なくされています。特に一部の新興国市場では、端末価格が40%から50%上昇しており、需要を大きく圧迫しているということです。IDCは、今後さらにメモリ不足が深刻化し、市場環境は一層厳しくなると予測しています。
一方で、アメリカのアップルや韓国のサムスン電子は、高価格帯の端末において十分な利益率を確保しているため、当初は価格を据え置く戦略をとりました。その結果、第1四半期の出荷台数はサムスンが前年同期比3.6%増、アップルが3.3%増と、それぞれ成長を維持したとしています。
しかし、サムスン電子は最近になって、「Galaxy Z Flip 7」や「Galaxy S25 Edge」などの一部の機種やタブレット端末で価格の引き上げに踏み切りました。基本モデルの価格は維持したものの、記憶容量の大きいモデルについては40ドルから80ドル(約6,200円から1万2,400円)の値上げを実施したということです。
これにより、主要メーカーの中で端末価格を据え置いているのはアップルのみとなる可能性があります。別の市場調査会社の報告によりますと、アップルは現在の市場環境を好機と捉え、あえて自社の利益率を犠牲にして販売シェアの拡大を優先する異例の戦略をとっているということです。
なお、IDCなどの調査会社が発表する出荷台数は推計値に基づくため、調査機関によって数値にばらつきが生じる場合があるとしています。
