アメリカの人工知能(AI)向け半導体開発企業「サンバノバ・システムズ」は、最新の資金調達ラウンドで10億ドル(約1,550億円)を調達したと発表しました。これにより、同社の企業評価額は110億ドル(約1兆7,050億円)に達したということです。
今回の資金調達は、投資会社ゼネラル・アトランティックが主導しました。サンバノバのロドリゴ・リアンCEO(最高経営責任者)によりますと、数週間以内にさらに複数の投資家が参加し、今回のラウンドが完了する見通しだということです。
同社は今年2月にも3億5,000万ドル(約543億円)を調達し、次世代半導体「SN50」を発表しており、わずか5か月での大型調達となりました。また、昨年12月にはアメリカの半導体大手インテルと、およそ16億ドル(約2,480億円)の評価額で買収交渉を行っていたと報じられていました。
今後の経営方針についてリアンCEOは、他社からの買収提案を常に受けているとしたうえで、最終的には株式の上場を目指す可能性が高いという認識を示しました。
インテルとの関係については、複数年にわたる提携を結んでおり、製品の共同開発や市場展開を進めるなど、連携を深めているとしています。
さらに同社は、アメリカの金融大手JPモルガン・チェースから、AIの推論処理を担うインフラパートナーに選定されたことを明らかにしました。JPモルガンは、クラウドサービスに完全に依存せず、自社内で安全にAIを運用するためのシステムとして、サンバノバの製品を導入する方針です。
リアンCEOは、この動きについて「銀行業界だけでなく、企業や政府機関が機密性の高いデータを扱うために、独自の安全なインフラを構築する流れが本格化している」と指摘しています。
サンバノバの製品は、数兆個のパラメータを持つ大規模なAIモデルを高速で処理できる点が特徴です。今年2月に発表された次世代製品の「SN50」は、2026年後半に顧客への出荷が始まる予定で、最初の展開パートナーとして日本のソフトバンクが導入するとしています。
顧客層としては、政府が主導する「ソブリンクラウド」、新興のクラウド事業者、そして自社でAIを運用する一般企業を想定しています。JPモルガンのほか、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコや、日本の企業も顧客に名を連ねているということです。
サンバノバは今回調達した資金について、急速に拡大する需要に対応するため、サプライチェーンの強化や事業の拡大に充てる方針です。
