営業などの業務を担う「人工知能(AI)従業員」を開発するスタートアップ企業「Artisan(アーティザン)」の最高経営責任者(CEO)は、企業の成長には適切な人材の採用が不可欠であるとする見解を明らかにしました。AIによる業務の自動化を推進する一方で、組織の拡大には引き続き人間の役割が重要だとしています。
同社は「人間の採用を停止しよう」というキャンペーンを展開していることで知られていますが、事業を拡大するためには適切なチーム編成が必要だということです。同社は現在、営業活動や顧客対応を自動化するAI従業員の開発を急速に進めています。
同社のジャスパー・カーマイケルジャックCEOは、IT関連のインタビュー番組において、創業初期の採用に関する失敗が企業にとって致命的な打撃になり得たことを明らかにしました。不適切な採用や配置は、時間を浪費させるだけでなく、従業員の士気を低下させ、事業の実行速度を遅らせる要因になるとしています。
カーマイケルジャックCEOは、「すべての役職において多くの採用ミスを経験しました。現在の40人の体制を築くために、これまでに100人以上を採用したとみられます」と述べています。そのうえで、これらの失敗から得た教訓を今後の経営に生かす方針です。
人員を増やせば成長が加速すると考えていたものの、実際には組織の規模が大きくなるほど、目標の共有や管理が難しくなるということです。そのため、既存のチームでは業務を処理しきれなくなった場合にのみ、新たな採用を行うべきだとしています。
採用の基準については、大手IT企業での華々しい経歴が、必ずしもスタートアップ環境への適性を示すものではないと指摘しています。豊富な資金や資源を持つ大企業で活躍するためのスキルと、スタートアップで求められるスキルは異なるということです。
経験が豊富すぎる人材は、組織体制が整っていない環境に対応できない可能性があり、一方で経験が浅すぎる人材は、業務を拡大するためのスキルが不足しているとしています。
採用プロセスは慎重に行うべきである一方、企業文化に合わないと判断した場合は迅速な対応が必要だとしています。初期の段階では決断が遅れ、数か月にわたって問題を放置した結果、状況が改善しなかったということです。
採用は単なる実務的な作業ではなく、戦略的な課題であるとしています。不適切な採用は企業の文化を変質させ、基準を低下させる一方で、適切な採用は企業の成長を大きく後押しするということです。
最終的に、AI従業員を開発する企業であっても、事業の拡大には適切な人間の存在が不可欠であるという教訓を得たということです。
