アメリカのメディアは、アメリカ国家安全保障局(NSA)が、AI開発企業アンスロピックの非公開AIモデル「Mythos Preview(ミトス・プレビュー)」を利用していると報じました。
NSAの上部組織であるアメリカ国防総省は数週間前、アンスロピックを「サプライチェーン上のリスク」に指定したということです。これは、同社が国防総省の当局者に対し、AIモデルの全機能への無制限のアクセスを拒否したことが背景にあるとされています。
アンスロピックは今月、サイバーセキュリティー業務に特化した最先端のAIモデルとして「Mythos」を発表しました。しかし、サイバー攻撃に悪用される危険性が高すぎるとして、一般への公開は見送る方針を示していました。その結果、同社はこのAIモデルへのアクセスを約40の組織に限定しており、そのうち公表されているのは十数機関にとどまっています。
報道によりますと、NSAは非公表の提供先のひとつであり、主にシステムの脆弱性を探知する目的で「Mythos」を利用しているということです。なお、イギリスのAIセーフティ研究所も、同モデルへのアクセス権を持っていることを確認しています。
アメリカ軍は、アンスロピックの技術が国家安全保障上の脅威になり得ると法廷で主張する一方で、同社のツールの利用を拡大しているということです。国防総省との対立は、アンスロピックが自社のAIモデルを、国内の大規模な監視活動や自律型兵器の開発に利用させることを拒否したことに端を発しています。
一方で、アンスロピックとトランプ政権との関係は改善に向かっているとみられています。先週金曜日には、アンスロピックのダリオ・アモデイCEOが、ホワイトハウスのスージー・ワイルズ大統領首席補佐官やスコット・ベッセント財務長官と会談しました。ホワイトハウスはこの会談について、「生産的であった」と評価しているということです。
この報道について、メディア側はNSAにコメントを求めていますが、現時点で回答は得られていません。また、アンスロピックはコメントを控えるとしています。
