子供向けのテクノロジー機器を手がけるアメリカの企業「Pinwheel」は、スマートフォンを持たない子供が安全に通話できるレトロなデザインの家庭用電話機「Pinwheel Home」を発売したと発表しました。
この製品は、5歳から10歳の子供を対象にしており、スマートフォンを使い始める前の入門機として位置づけられています。テキストメッセージやSNSの機能はなく、音声通話のみに特化しているということです。同社は、子供たちが親の端末を借りることなく、家族や友人と直接会話する経験を促すとしています。
近年、子供の過剰な画面視聴(スクリーンタイム)が感情や行動に与える影響への懸念が高まっています。ジョージア大学の最新の研究では、SNSに費やす時間が長い子供ほど、語彙の発達が遅れる傾向があることが指摘されています。また、オーストラリアやイギリスなどでは、子供のSNS利用を制限する動きが広がっています。
こうした背景から、画面を見ずに通信できる製品の需要が高まっています。今回発表された「Pinwheel Home」は、従来の固定電話のような外観ですが、Wi-Fiを利用するため電話線は不要です。
製品は2つのモデルが用意されています。「Spark」は68ドル(約1万500円)で、白、黒、青、紫の4色展開です。また、「Classic」は79ドル(約1万2200円)で、レトロな受話器とカスタマイズ用のステッカーが付属し、ピンク、黒、白の3色が用意されています。
安全対策として、保護者が専用のポータルサイトを通じて端末を管理できる仕組みとなっています。承認した連絡先のみを通話可能にするほか、見知らぬ番号や迷惑電話のブロック、通話時間やスケジュールの制限ができるということです。
同社は今後のアップデートで、3者通話機能を追加する方針です。さらに、自社製のスマートウォッチやスマートフォンと連携させ、家でのスクリーンタイムを制限しつつ、複数の端末で同じ電話番号を利用できるようにするとしています。
通信料金について、同社の端末同士の通話は無料です。一般の電話番号にかける場合は、最大5人までの連絡先を登録できる月額6.99ドル(約1080円)のプランと、無制限に通話できる月額9.99ドル(約1550円)のプランが用意されています。競合製品として、100ドル(約1万5500円)で販売されているWi-Fi対応の子供向け電話機「Tin Can」などがありますが、同社は独自の機能と価格設定で差別化を図る狙いがあるとみられます。
「Pinwheel Home」は現在、同社のウェブサイトで販売されており、今年の秋にはAmazonでも取り扱いが開始される予定です。
