サンフランシスコに拠点を置くスタートアップ企業、マイクロファクトリーは、犬用ケージほどのサイズの小型ロボット工場を開発したと発表しました。この工場は、AIと人間のデモンストレーションにより学習することができるということです。
マイクロファクトリーの共同創業者兼CEOであるイゴール・クラコフ氏は、TechCrunchのインタビューで「汎用ロボットは良いが、人型である必要はない」と述べています。彼らは、ハードウェアとAIの両面で、より簡単に設計できる非人型の汎用ロボットを開発する方針です。
このシステムは、個別のロボットアームを販売するのではなく、透明なワークステーションとして提供され、ユーザーが製造プロセスをリアルタイムで観察できるようになっています。小型の工場は、回路基板の組み立てや部品のはんだ付け、ケーブル配線などの精密作業に適しているとしています。
クラコフ氏は、「通常は数時間かかるが、この方法ではロボットが何をすべきかをよく理解する」と述べています。製造会社は、このようにモデルを訓練し、作業を効率化することが可能だとしています。
クラコフ氏と共同創業者のヴィクトル・ペトレンコ氏は、以前は写真家向けの携帯用照明機器を製造する会社を運営していました。AIの進化により、製造プロセスの自動化が可能になったと考え、マイクロファクトリーを2024年に設立しました。
現在、同社は数百件の事前注文を受けており、電子機器の組み立てやフランスへのエスカルゴの出荷のためのカタツムリの処理など、多様な用途での利用が見込まれています。
マイクロファクトリーは最近、AI企業Hugging Faceの幹部や投資家のナヴァル・ラヴィカント氏などから、1億5,000万円(約1.5百万ドル)のプレシード資金調達を完了しました。このラウンドにより、同社の評価額は約30億円(約30百万ドル)に達しました。
クラコフ氏は、調達した資金を使って製品の製造と出荷を進める方針です。現在、プロトタイプを商業製品に変換しており、約2か月後に出荷を開始する予定です。また、技術の改善とAIモデルの開発を続ける計画です。
「当社の成長はハードウェアの製造に関連しているので、毎年10倍の増産を目指しています」とクラコフ氏は述べています。初年度には、1,000台のロボットを生産する目標を掲げており、1日約3台のペースで生産する能力があるとしています。その後も生産を拡大する方針です。